今回の記事では、助動詞 will についての小ネタをお話していきたいと思います。
助動詞 will を学習していて、一度はこんなことを思ったことはありませんか?
今回は、この素朴な疑問について考えていきましょう。
よくある疑問
普通、助動詞 + not の省略形と言えば、
- can + not = can’t
- must + not = mustn’t
- should + not = shouldn’t
のように、規則的な形をしています。
しかしながら、will + not に限っては、willn’t とならず、won’t となるのです。
なぜ、willn’t ではなく、won’t なのでしょうか?
この疑問を解決するために、〈英語史〉というアイデアを使ってみましょう。
〈英語史〉とは
〈英語史〉とは、字のごとく「英語の歴史」のことですが、そんな〈英語史〉は以下の4つの区分に分類することができます。
② 1100年頃 ~ 1500年頃 中英語
③ 1500年頃 ~ 1900年頃 近代英語
④ 1900年頃 ~ 現在 現代英語
上の分類は、研究者や区別の基準によって異なります。また、ある年数を境に英語がガラッと変わったわけでもありません。言語は徐々に流動的に変化していくものです。
ここで重要なことは、『英語は様々な姿をしていた』という点です。
will not → won’t になる理由は…
さて、本題の『willn’t ではなく won’t になる理由』ですが、鍵を握るのは〈中英語〉です。
〈中英語〉では、
そして、この〈中英語〉のwol notの短縮形 “won’t” が現在にも受け継がれたのです。
以上で、今回のテーマに対して回答が与えられました。
↓
中英語の綴りwolの否定形が現在に継承されたから
〈英語史〉を扱った記事のご紹介
当ブログでは、〈英語史〉の知見を取り上げた記事を作成しています。
➤➤【3単現のs】なぜ3単現のsは存在するのか?
➤➤【冠詞a/an 】母音の前はaがanになる理由
➤➤【接続詞that】衝撃の事実「I think that ≠ I think」
英語史と英文法の奥深い繋がりに出逢えること間違いなしです。
今回のまとめ
さて、今回の記事はかなり短めでしたが、この記事のまとめをしておきましょう。
◆助動詞シリーズwill第1弾
‣【助動詞】法助動詞willの用法とコアイメージ
◆助動詞シリーズwill第2弾
‣【助動詞】will と be going to の違い
◆助動詞シリーズwill第3弾
‣【助動詞】willと現在形が表す『習慣』の違い
また次の記事でお会いしましょう。
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