スポンサーリンク

【助動詞】法助動詞mayの用法とコアイメージ

スポンサーリンク
助動詞may 用法・使い方・意味・コアイメージ 英文法
スポンサーリンク

この記事では、〈助動詞〉の may について扱います。

may と聞くと、『許可』『推量』としての使い方が有名ですが、実はその他にも『可能』の意味を表す用法も存在します。

そして、それらの may の用法に共通するコアイメージをイラストで描くことも可能です。

今回は、そんな助動詞 may のあらゆる「用法」「コアイメージ」を見ていきましょう。

助動詞 may のあらゆる「用法」と「コアイメージ」
スポンサーリンク

結論:may の用法とコアイメージ

はじめに、may用法とそこに共通するコアイメージを提示します。

may の用法『許可』・『可能』・『可能性/推量』
may のコアイメージmay 用法 コアイメージ(歩行者用信号なのに三色点灯なのはお許しください…)
ここから先は、この「用法」「コアイメージ」の全体像を細かく見ていきます。
スポンサーリンク

may の用法

最初に示した通り、may には次の3つの「用法」が存在します。

may の用法『許可』・『可能』・『可能性/推量』
may の他の用法である『祈願』や『目的』の意味は、上の用法から派生するものです。しっかり『祈願』や『目的』も説明していくのでご安心ください。

それぞれの用法と、関連するポイントを説明していきます。

①『許可』を表す

may の用法の中で最も有名で使用頻度が高いのが、この『許可』の意味です。

【許可】You may go out and play baseball.
「外に行って野球をしてもいいよ」

 can の『許可』との違いは?

例文で見た通り、may には『許可』の用法がありますが、他の助動詞である can も同様に『許可』の用法を持ち合わせています。

【canによる許可】You can smoke here.
「ここでタバコを吸っても良いですよ」

maycan の『許可』の違いは、「許可を与える権限が発話者にあるかないか」と言われています。一言で表すと、〈権限の所在〉です。

そのような『may と can の違い』は、この記事でまとめてあります。

リンクはこの記事の最後にも掲載しています。この記事を最後まで読み切ってから、関連記事に移動していただくことが可能です。お好きなタイミングでご覧ください。

②『可能』を表す

may の2つ目の用法は、『可能』です。

【可能】You may be sure of one thing ; I am honest. 
「君は1つだけは信じられるよ、私は正直だということをね」
may『可能』の用法はあまり馴染みが無いかもしれません。

それもそのはずで、may『可能』の用法は極めて古風な使い方で、今では聖書や慣用句くらいの形式ばった場合で使われることがほとんどです。

【応用編】 mayの本来の意味は? 

今でこそはmayの『可能』の用法は使われなくなってきましたが、may の本来の意味は実はこの『可能(能力)』だったのです。他者の『可能(能力)』について言及するということは、他者に『許可』を与えるということなので、『許可』の意味を表す用法を獲得していきました。つまり、用法の順序としては「可能→許可」という流れです。
この『可能』の意味に関しては、2つ補足説明があります。

補足説明(1) 『祈願』の意味が派生する

may の 『可能』の意味から『祈願(願望)』の意味が派生します。いわゆる〈祈願文〉といわれるものになります。

【祈願】 May you be happy !
「お幸せに」
「○○であることが可能でありますように」といった意味合いです。
この『祈願(願望)』を表すmayは、ほとんど決まりきった表現に用いられ、文語的で堅い響きを含みます。

補足説明(2) 『目的』の意味にもなる

may の『可能』の意味は、特定の表現と呼応して『目的』の意味を帯びるようになります。

【目的】Finish your work so that you may go out tonight.
「今晩 出かけられるように仕事を終わらせておきなさい」
「○○することが可能であるように」といった感じから『目的』の意味が派生されます。
『目的』を表すmayは、so thatin order that のように決まりきった特定の表現と共に用いられます。

③『可能性/推量』を表す

may の3つ目の用法は、『可能性/推量』です。

【可能性/推量】He may come, or he may not.
「彼はくるかもしれないし、来ないかもしれない」
may の表す『可能性/推量』は、何パーセントの確信度合いなのでしょうか?
結論としては、ちょうど50%と言われています。
例文においてmay come, or may notと示されているように、ちょうど 50% vs 50% であることが分かります。

may の用法のまとめ

今まで見てきた may の用法や意味をおさらいしておきましょう。

mayの用法

  • 【許可】You may go out and play baseball.
  • 【可能】You may be sure of one thing ; I am honest.
  • 【祈願】 May you be happy !
  • 【目的】Finish your work so that you may go out tonight.
  • 【可能性/推量】He may come, or he may not.
『祈願』と『目的』の用法が『可能』の意味に基づいていることを再度記しておきます。
スポンサーリンク
スポンサーリンク

may のコアイメージ

今まであらゆる may の用法を見てきましたが、それらに一貫して共通する「コアイメージ」のようなものはあるのでしょうか?

筆者が考え出したイラストがこちらです。

may 用法 コアイメージ

このイラストの中の、

  • 青信号
  • 分かれ道
  • 歩いている人間

3つの部分に注目すると、may の用法を上手くカバーすることができます。

① 青信号 =『許可』&『可能』
「青信号=進んでも良い、進める」なので、『許可』と『可能』を示しています。
② 分かれ道 =『可能性/推量』
「左右のどっちの道にも進む可能性がある」という点で、『可能性/推量』を示しています。
③ 歩いている人間 =『目的』&『祈願』
リュックサックの大荷物を背負っているため、旅行か何かの『目的』をもって移動していることが分かります。また、信号まで少し距離があるため「自分が渡るまで青でいてほしい!」という『祈願』の意味も感じられます。
視覚的に示すとこのようになります。may コアイメージ 用法別
だいぶ強引かもしれませんが、may の用法や意味に関連を持たせるために参考にしていただけると幸いです。
スポンサーリンク

最後に〈法助動詞〉について

最後に少しハイレベルなお話をします。

今回の記事で扱ってきた助動詞 may は、助動詞の中でも〈法助動詞〉と呼ばれるグループに分類されています。

  • 〈法助動詞〉とは何か?』
  • 『そもそも助動詞にはいくつ種類があるのか?』

このような助動詞の大まかな説明や全体像については、ぜひこちらをご参照ください↓
【助動詞】 助動詞の種類・分類について

そして、may を含む〈法助動詞〉には、大きく2つの種類の用法が存在すると言われています。

それが、〈根源的用法〉〈認識的用法〉というものです。

法助動詞の2つの用法

先ほど、may の用法で『許可』、『可能』(+『祈願』『目的』)、『可能性/推量』の3つを紹介しましたが、これらを〈根源的用法〉と〈認識的用法〉に当てはめるとどうなるでしょうか?

may の場合は、このようになります。

  • 〈根源的用法〉= 『許可』、『可能』(+『祈願』『目的』)
  • 〈認識的用法〉= 『可能性/推量』

これ以上はあまり詳しく説明しませんが、〈法助動詞〉と呼ばれる助動詞には、〈根源的用法〉と〈認識的用法〉と呼ばれるものがある、ということを少しだけ付け加えておきます。

スポンサーリンク

全体のまとめ

今回は、助動詞の中でも〈法助動詞〉と呼ばれる種類の助動詞である may を見てきました。

may の用法とコアイメージをまとめておきます。

mayの用法

  • 【許可】You may go out and play baseball.
  • 【可能】You may be sure of one thing ; I am honest.
  • 【祈願】 May you be happy !
  • 【目的】Finish your work so that you may go out tonight.
  • 【可能性/推量】He may come, or he may not.
コアイメージmay コアイメージ 用法別

英語の助動詞を本格的に学習したいなら、この1冊が最適です。英語の助動詞について、これ以上ないくらい詳しく分かりやすく書かれた1冊です。

関連コンテンツの紹介

今回の内容に関連した記事をご紹介します。

まずは記事内で紹介した『may と can の違い』について

【他の助動詞の用法とコアイメージ】

【助動詞】法助動詞willの用法とコアイメージ

【助動詞】法助動詞 can の用法とコアイメージ

【助動詞そのものについて】

【助動詞】助動詞の種類・分類について

 

can 以外の助動詞についても、かなり詳しく扱っています。

今回もご覧いただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。

 

[参考文献]

  • 安井稔 (1983)『改訂版 英文法総覧』開拓社
  • 吉波和彦 他 (2011)『ブレイクスルー総合英語(改訂二版)』美誠社
  • 大西泰斗、ポール・マクベイ (2017)『総合英語 FACTBOOK これからの英文法』桐原書店
  • 佐藤芳明 他 (2009) 『レキシカル・グラマーへの招待 -新しい教育英文法の可能性』開拓社
  • 中野清治 (2014)『英語の法助動詞』開拓社

コメント