- 英検のライティングが2題になったと聞いたが、何が出るのか分からない
- 要約問題の書き方が分からない
- 書いてはみるが、これで合っているのか判断できない
- 添削してくれる人が周りにいない
英検のライティングで手が止まる人には、共通する状態があります。何を書けばいいか分からないのではなく、どちらの作業を求められているのかが分かっていないという状態です。
1級〜3級は2024年度にライティングが2題化され、2025年度新設の準2級プラスも要約+意見論述の2題です。そしてこの2題は、まったく逆方向の作業を測っています。
先に結論を言います。要約は情報を減らす作業、意見論述は情報を増やす作業です。同じ対策で両方は取れません。
筆者は英検1級の保持者で、日本最大級の英語サービスの運営に長く関わってきました。この記事では、英検協会が公表している出題形式をもとに、2題の見分け方と添削の確保方法を順に解説します。

要約問題って、結局どう書けば正解なんですか?自分の意見を入れたほうがいいのか迷います…

そこが分かれ目だよ。要約は自分の意見を入れないほうがいい。もう1題の意見論述とは、まったく逆の作業なんだ。

逆…?同じ「英作文」なのにですか?

そう。片方は減らす作業、もう片方は増やす作業。これを分けずに練習するから、両方が中途半端になるんだ。
- 自分の級で出る2題が何かと、それぞれが測っている力
- 要約・Eメール・意見論述の作業方向の違い
- 作文を自己評価だけで仕上げると見落としやすい理由と、その対処
- 添削を確保する手段を、対応級と段階で選び分ける方法
- 結論:ライティング2題は、逆方向の作業を測っている
- 自分の級で何が出るのかを、先に確かめる
- 要約は「減らす」。足すと減点に近づく
- Eメールは「返信」。3級と準2級で指示が違う
- 意見論述は「増やす」。型を持てば手は止まらない
- 要約・意見論述は4観点。Eメールは3観点
- 減点ではなく0点になる条件がある
- 作文は、自己評価だけでは見落としやすい
- 書き直しの回数が、書いた本数より効く
- 添削の確保は、まず「自分の級で使えるか」で決まる
- 「書いてから話す」という順序は、二次試験まで効く
- 本数を回したい段階なら、AI採点で回数を作る
- 作文は、ほかの技能と同じ重さで合否に効く
- 2週間で作文の型を作る進め方
- 作文でやりがちな失敗が4つある
- 英検ライティングのよくある質問
- まとめ:どちらを書いているかを、まず見分ける
結論:ライティング2題は、逆方向の作業を測っている
最初に全体像を示します。この記事の主張は3つです。

- 2題は測っている力が違う:要約は減らす作業、意見論述は増やす作業です
- 作文は自己評価だけでは見落としやすい:正解が1つに定まらず、ルーブリックだけでは判断しにくい部分があります
- 伸びるのは本数ではなく書き直しの回数:新しい1本より、同じ1本を直すほうが効きます
多くの解説は「要約の書き方」「Eメールの書き方」を別々に扱います。しかし別々に覚えると、本番でどちらのモードに入るべきか判断できません。
読む順序と、たどり着く地点
前半で2題の性質を整理し、後半で添削の確保方法を扱います。読み終えると、自分の級で何を書くのかと、誰に見てもらうのかが決まります。
- 自分の級で何が出るのか(対象を確定する)
- それぞれの作業方向(書き方を分ける)
- 添削をどこから確保するか(手段を決める)
自分の級で何が出るのかを、先に確かめる
対策を始める前に確認すべきことがあります。級によって出る2題が違うからです。要約を練習するのか、Eメールを練習するのかを、教材を開く前に決めます。
級ごとの出題マップ
英検協会の公表内容によると、1級〜3級は2024年度に2題化され、2025年度新設の準2級プラスも要約+意見論述の2題です。次の形式は2026年7月27日に公式ページで確認したものです。
| 級 | 1題目(追加形式) | 2題目 |
|---|---|---|
| 1級 | 要約 | 意見論述 |
| 準1級 | 要約 | 意見論述 |
| 2級 | 要約 | 意見論述 |
| 準2級プラス | 要約 | 意見論述 |
| 準2級 | Eメール | 意見論述 |
| 3級 | Eメール | 意見論述 |

境界がはっきりしています。2級以上と準2級プラスは要約、準2級・3級はEメール。この線を先に引いてから対策に入ります。
注意したいのが準2級プラスです。名前は準2級に近いのに、ライティングの出題形式は2級と同じとされています。級の名前だけで判断すると、対策の方向を誤ります。
境界の意味
なぜこの分かれ方なのか。要約は、元の英文を読んで理解する工程を含むからです。読解力がないと成立しません。
一方Eメールは、短い受信文に返信する形式です。読む負荷を抑えたまま、やり取りの中で必要な英語を書けるかを見ています。
先に確かめないと起きること
この確認を飛ばすと、自分の級で出ない問題の対策に時間を使うことになります。
要約の解説は情報量が多く目立つため、準2級・3級の受験者が要約の記事を読んでしまうことがあります。形式が違えば、書き方の原則ごと違います。
逆のパターンもあります。2級を受けるのに、以前の情報を見て意見論述だけを練習してしまう。2024年度より前の教材や記事には、要約・Eメールの追加形式が載っていません。参照する情報の年度も確認してください。
要約は「減らす」。足すと減点に近づく
2級以上と準2級プラスに出る要約問題を見ていきます。ここが最も誤解されやすい問題です。

要約でやってはいけないこと
要約問題で最も多い失敗は、自分の意見を書いてしまうことです。
意見論述に慣れているほど起こります。英作文といえば自分の考えを述べるもの、という前提が身についているためです。
- 求められる:元の文章の要点を選んで残す
- 求められる:自分の言葉に置き換える
- 求められない:自分の意見を加える
- 求められない:元にない情報を補う
「選んで残す」という作業
要約の本質は選択です。元の文章にある情報のうち、何を残して何を落とすかを決める作業になります。
このとき判断基準になるのが、段落の役割です。導入・具体例・反論・結論のうち、具体例は落とし、主張と根拠は残すのが基本形になります。
反論をどう扱うか
判断に迷いやすいのが反論部分です。元の文章に「一方でこういう見方もある」と書かれている場合、これを残すかどうか。
原則としては残します。反論は文章の構造そのものだからです。落とすと、元の文章が一方的な主張だったことになってしまいます。
ただし、反論に付いている具体例までは要りません。「こういう反対意見もある」という骨だけ残すのが目安になります。
そのまま写すのも避ける
もう1つの失敗が、元の文章の表現をそのまま並べることです。要約は「自分の言葉に直す」工程を含みます。
写しただけの答案は、読解はできていても言い換えの力を示せません。同じ内容を別の語で言えるかどうかが、この問題で見られている部分です。
言い換えといっても、難しい語に置き換える必要はありません。名詞を動詞にする、2文を1文にまとめるといった操作でも十分に言い換えになります。語彙力の問題というより、組み替えの操作です。
要約の具体的な手順は英検の要約問題の書き方で扱います。
Eメールは「返信」。3級と準2級で指示が違う
準2級・3級で追加されたEメール問題は、どちらも返信の課題です。ただし、返信の中で求められる行動は級によって違います。
英作文ではなく、返信である
この問題で最初に理解したいのは、これが「英作文」ではなく「返信」だということです。
受信メールに書かれた内容を受けて、相手へ必要な情報を返します。自分の書きたい話を広げるのではなく、受信文と問題の指示に対応することが中心です。

3級は、相手からの2つの質問に答える
3級では、受信メールにある2つの質問へ答えます。書き始める前に疑問文へ印を付け、答えを1つずつ用意すると対応漏れを防げます。
準2級は、答えたうえで質問を2つ返す
準2級では、受信メールの質問へ答えるだけでは終わりません。下線部について具体的な質問を2つ書くことも求められます。
つまり、3級は「相手の2問に答える」、準2級は「相手の問いに答え、こちらから2問を返す」です。似た見た目でも、数える対象が違います。
- 3級:受信メールの2つの質問に印を付け、答えを2つ用意する
- 準2級:受信メールの問いへの答えを決め、下線部への具体的な質問を2つ用意する
書き始める前の30秒でできる作業です。これだけで、英文は正しくても指示の一部を落とす失敗を減らせます。
英文が正しくても、指示への対応が足りないことがある
Eメール問題でよくある失敗は、文法的に正しい英文を書いているのに、求められた返信になっていないことです。
3級で質問の片方に答えていない。準2級で下線部への質問が1つしかない。英語の正しさとは別に、課題の内容へ対応できているかが見られます。
返信らしさを整える
もう1つ、返信としての体裁があります。お礼や感想を一言添えてから本題に入るだけで、メールとしての自然さが出ます。
ただし、これに字数を使いすぎないこと。中心はあくまで質問への回答です。
答えを膨らませる方向
質問に答えるだけでは字数が足りないことがあります。そのときに使えるのが、答えに一言の理由や状況を足す方法です。
「行きました」だけでなく「友達と行きました。とても楽しかったです」のように、事実に感想や詳細を添える。新しい話題を持ち出すより、答えた内容を厚くするほうが安全です。
Eメール問題の具体的な手順は英検のEメール問題の書き方で扱います。
意見論述は「増やす」。型を持てば手は止まらない
3級以上に共通する意見論述は、要約と逆の作業になります。

1つの立場から情報を広げる
意見論述では、与えられたテーマに対して立場を決め、その理由を自分で作り出します。元の文章に情報はありません。
要約が「与えられた情報を絞る」のに対し、意見論述は「何もないところから情報を増やす」作業です。同じ英作文でも、頭の使い方が正反対になります。
手が止まる原因は型の不在
意見論述で手が止まるとき、原因はたいてい英語力ではありません。何をどの順で書くか決まっていないことです。
型があれば、埋める作業になります。型がなければ、毎回ゼロから設計することになります。
この4段階が身につくと、テーマが変わっても手順は変わりません。テーマごとに考えるのは中身だけになり、構成を毎回設計し直す必要がなくなります。
本心を書く必要はない
意見論述で時間を溶かす人の多くは、「自分は本当はどう思っているか」を考えています。
しかし採点で見られるのは、立場の正しさではなく立場を英語で支えられているかどうかです。理由を出しやすいほうを選ぶのが合理的です。
立場を選ぶ基準
では、どちらを選べばいいのか。判断基準は1つです。理由が2つすぐ浮かぶほうを選びます。
強く思っているほうではなく、書けるほうを選ぶ。試験の作文は主張の表明ではなく、主張を英語で支える練習の場だと割り切ってください。
理由を探す2つの引き出し
理由が出ないときの探し方も決めておくと、止まりません。
- 自分の経験:実際に見聞きしたこと。具体例をそのまま説明に使えます
- 一般的な事実:多くの人に当てはまる話。説得力を出しやすい方向です
この2方向から1つずつ出せば、理由は2つそろいます。同じ方向から2つ出そうとすると、内容が重なりがちです。
要約・意見論述は4観点。Eメールは3観点
書き方の前に、何が見られているのかを確認します。ここを知らないまま練習すると、努力の方向がずれます。
要約・意見論述で公表されている4つの観点
英検協会は、問題形式ごとの採点観点を公表しています。2026年7月27日時点で、要約・意見論述について示されているのは次の4つです。
| 観点 | 見られていること |
|---|---|
| 内容 | 課題で求められている内容が含まれているか |
| 構成 | 英文の構成や流れが分かりやすく論理的か |
| 語彙 | 課題に相応しい語彙を正しく使えているか |
| 文法 | 文構造のバリエーションを正しく使えているか |
要約・意見論述では、文法は4つのうちの1つです。語彙を加えても、英語表現に直接かかわる2観点だけで全体を決めるわけではありません。
Eメールには「構成」がなく、3観点で見る
準2級・3級のEメールは、内容・語彙・文法の3観点です。要約・意見論述にある「構成」は独立した採点観点に含まれません。
だからこそ、受信文と指示への対応が重要です。3級では2つの問いへ答え、準2級では答えに加えて2つの質問を書く。形式ごとの内容要求を先に満たします。
内容と構成は、書き始める前に整えられる
要約・意見論述の内容と構成は、英文を書く前の設計で改善できます。聞かれたことに答えているか、話の筋が通っているかを日本語の段階で確かめるからです。
英文が整っていても、内容がずれていれば評価は伸びません。英語表現だけを直すのではなく、問題形式ごとの要求を満たしているかを先に見る。ここが作文対策で費用対効果の高い領域です。
語彙と文法の観点で求められること
残る2つの観点にも共通点があります。どちらも「繰り返しを避ける」ことが公表されているアドバイスに含まれています。
同じ語を何度も使わない。同じ形の文を並べない。難しい表現を使うことではなく、単調にならないことが求められています。
減点ではなく0点になる条件がある
観点の話に続けて、避けるべき失敗を確認します。作文には、点が減るのではなく消える条件があります。
形式ごとの指示から外れると、0点になることがある
英検協会の解説では、課題の指示に対応していない場合、すべての観点で0点と採点されることがあると示されています。
意見論述なら問いと無関係な主張、要約なら元の文章と無関係な内容、Eメールなら求められた回答や質問がない答案です。英文がどれだけ整っていても、形式ごとの中心的な要求を外せば点が残らないことがあります。
意見と矛盾する理由は、理由として数えられない
もう1つ公表されている注意点があります。賛成の立場で書きながら、途中で反対寄りの理由を入れてしまうケースです。
この場合、その理由は意見を支えるものとして数えられず、減点の対象になるとされています。立場を決めたら、最後までその立場の材料だけで書く。両論併記は求められていません。
理由に説明がないと弱い
理由を挙げただけで説明を付けないことも、注意点として挙げられています。
「安いから」「便利だから」で止めず、それがどういう良さにつながるのかを一言足す。この一言があるかどうかで、内容の観点の評価が変わります。
英語以外の語を使うときの扱い
日本語由来の語を使う場合の扱いも示されています。説明を添えれば減点対象にならないが、説明がなければ減点対象になるという整理です。
固有の事情を書きたいときは、その語を知らない読み手にも分かる形にすると考えておけば問題ありません。
作文は、自己評価だけでは見落としやすい
ここから対策の話へ移ります。作文はルーブリックで自己点検できますが、自分の答案を自分だけで評価すると見落としが残ります。

他の技能との決定的な違い
語彙・読解・リスニングの選択式問題には正解があります。答え合わせをすれば、合っているかどうかが分かります。
一方、作文は正解が1つに定まりません。同じ内容を伝える書き方が複数あり、ルーブリックを使っても内容のずれや不自然さを自分で見落とすことがあります。
| 技能 | 自己点検 | 不足を補うもの |
|---|---|---|
| 語彙・読解・リスニング | 正解と照合できる | 解答・解説 |
| 作文 | ルーブリックで確認できる | 添削や採点のフィードバック |
「書けた気がする」が最も危険
自己評価だけで進める実害は、間違ったまま量を重ねてしまう点にあります。
同じ誤りを含む答案を20本書いても、指摘されなければ21本目も同じ誤りを含みます。作文の練習量は、フィードバックがない限り上達に直結しません。
模範解答と見比べる方法もありますが、限界があります。模範解答は「正解の一例」であって、自分の答案が及第点かどうかは教えてくれません。違っていても正解の場合があり、似ていても不足の場合があります。
書き直しの回数が、書いた本数より効く
外部の目を確保したうえで、次に決めるのが回し方です。ここも直感と逆になります。

5本書くより、1本を3回直す
作文の上達は、書いた本数ではなく直した回数で決まります。
新しい1本を書くとき、人は前の失敗を覚えていません。しかし同じ1本を直すときは、どこが問題だったかを見ながら書き換えます。この工程だけが、次に書くときの型になります。
- 5本書いて提出しっぱなし:5回同じ失敗をする可能性がある
- 1本を3回直す:3回とも別の改善点が見つかる
直すときに見る3点
書き直しは漫然と行っても効果が薄いため、見る対象を決めておきます。
この3点だけを見ます。全部を直そうとすると、直すこと自体が続かなくなります。
回数制限があると、この工程が止まる
書き直しが効くと分かっていても、添削の回数に上限があると「もったいないから提出しない」が起きます。
結果として、最も効く工程が使われないまま試験日を迎えることになります。添削手段を選ぶとき、回数の制約は品質と同じくらい重要な条件です。
直したものを保存しておく
もう1つ、地味ですが効く工夫があります。直す前と直した後の英文を、両方残しておくことです。
同じ指摘を何度も受けているなら、それが自分の癖です。癖が分かれば、書く前に気をつけられます。添削を受けっぱなしにすると、この情報が蓄積されません。
保存の形式は問いません。ノートでも画面のメモでも構わないので、「よく指摘される3つ」を言えるようにしておくのが目標です。
添削の確保は、まず「自分の級で使えるか」で決まる
では、外部の目をどこから確保するか。順序としては、対応級の確認が最初です。

周りに見てくれる人がいる場合
学校や塾で添削を受けられるなら、それが第一候補です。人の目であり、継続的に同じ人が見てくれるという利点があります。
ただし回数には限りがあります。週1回の添削では、書き直しの回転が遅くなります。回数を補う手段を併用するのが現実的です。
もう1つ、頼み方の工夫があります。「全部見てください」ではなく「内容が問いに答えているかだけ見てください」と範囲を指定すると、相手の負担が下がり回数を増やしやすくなります。
いない場合の選択肢と、その対応級
周りに見てくれる人がいない場合、外部のサービスを使うことになります。ここで最初に見るのが対応級です。
| 手段 | 対応級 | 添削の主体 |
|---|---|---|
| UGUIS.AI | 準1級〜3級 | AI |
| Best Teacher(英検対策コース) | 1級・準1級・2級 | 人(外国人講師) |
この2つは、対応級が完全には重なりません。この記事で比較する2サービスの中では、1級はBest Teacher、準2級プラス・準2級・3級はUGUIS.AIだけが対象です。準1級と2級では両方が選べます。
だから「どちらが優れているか」の議論は成立しにくい
多くの比較記事は優劣を論じますが、自分の級で使えないサービスは、優れていても選択肢になりません。
先に対応級で絞り、残った選択肢の中で段階に合うほうを選ぶ。この順序で考えると、迷う範囲が大幅に狭まります。
この記事で扱う2サービスを級ごとに分けると、次のようになります。サービス全体の網羅表ではなく、Best TeacherとUGUIS.AIの対応範囲を比べたものです。
- 1級:比較する2サービスでは、人の添削(Best Teacher)が対象
- 準1級・2級:両方が対象。段階で選び分ける
- 準2級プラス・準2級・3級:比較する2サービスでは、AI添削(UGUIS.AI)が対象
試す順序は、無料で確かめられる範囲で決める
両方が選べる級の人が次に迷うのは、どちらから試すかです。ここは学習段階より先に、「無料でどこまで中身が見えるか」で決めるほうが失敗しません。
添削は、受けてみないと自分に合うか分かりません。先に確かめられるほうから触るのが合理的です。
| 手段 | 無料で確かめられる範囲 |
|---|---|
| Best Teacher | Writingレッスンと Speakingレッスンを1回ずつ。クレジットカード・電話番号の登録は不要 |
| UGUIS.AI | 無料会員として、毎日補充されるポイントの範囲で利用 |
前者は「人の添削を1回まるごと受けられる」形、後者は「回数に上限がある形で機能を試せる」形です。どちらも登録前に費用は発生しませんが、添削そのものの質を判断したいなら、1回まるごと受けられるほうが早いと言えます。
「書いてから話す」という順序は、二次試験まで効く
まず人による添削から見ていきます。無料体験だけで添削を1回まるごと受けられるうえ、この方式には構造上の利点があります。
書いた英文が、そのまま話す教材になる
Best Teacherの英検対策コースは、英作文を書く → 外国人講師が添削する → 添削後の英文でスピーキングレッスンを受けるという順序で進みます。
多くのサービスは「添削は添削」「会話は会話」で分かれています。同じ内容が2つの工程を通るという構造が、この方式の特徴です。
英検の構造と噛み合う理由
英検は一次でライティング、二次でスピーキングを課します。同じ試験の中で書く力と話す力を両方測る設計です。
書いた内容を話す訓練は、そのまま二次試験の練習になります。1つの学習で2つの技能に効くのは、試験日が決まっている状況では小さくない利点です。
一次と二次は、それぞれ独立して基準を超える必要があります。一次に全力を注いで通っても、二次の準備がゼロだと同じ壁がもう一度来ます。並行して進められる形は、この構造と相性がいいと言えます。
- 内容が思いつかない → 事前に書いていれば確定している
- 英文にできない → 添削済みの英文が手元にある
- 質問が聞き取れない → ここだけがレッスンで潰す対象として残る
書いてから話すという順序そのものが、話す前に負荷を2つ下ろしています。
人の添削だから見える部分
人による添削の利点は、「その人が言いたかったこと」を汲んで直せる点にあります。
要約のように、元の文章を自分の言葉に置き換える課題では、意図を汲む添削が効きます。正しさを見るのがAI、意図を見るのが人という整理が実態に近いでしょう。
もう1つ、人の添削には「訂正箇所がない場合は別の表現を教えてくれる」という運用も示されています。正しく書けている答案でも、次の引き出しが増えるということです。
レッスンは4つの工程を通る
具体的な流れも公表されています。Writing → 添削 → トレーニング → Speakingレッスンという4段階です。
注目したいのは3つ目です。自分が書いた英文が読み上げられるため、リスニングの素材にもなります。1本の作文が3技能に触れる構造です。
級ごとに用意されている問題数
英検対策コースの問題数も公表されています。1級は全45問、準1級は全29問、2級は全22問とされ、いずれも意見論述10問・要約10問を含みます。
残りが面接問題です。1級は25問、準1級は9問、2級は2問と、上の級ほど二次対策の分量が厚くなっています。
公平に見た制約
一方で、条件面は正直に見ておく必要があります。
- 対応級は1級・準1級・2級:準2級プラス・準2級・3級は対象外です
- 有料会員は月額16,500円(税込):この記事で扱う手段の中では高めです
- Writingレッスンは同時に3件まで:添削待ちを含む進行中レッスンの上限があります
- Speakingレッスンの予約は同時に1件まで:次の予約は受講後に取ります
- 本番形式の模擬面接は提供されていない:面接の「対応力」を養う設計です
無料体験ではWritingレッスンとSpeakingレッスンを1回ずつ試せます。クレジットカードや電話番号の登録は不要とされているため、まず添削の中身を見てから判断できます。
本数を回したい段階なら、AI採点で回数を作る
人の添削を受けたうえで、それでも回数が足りないと感じるなら次の選択肢があります。AIによる採点です。
AI添削の得意なこと
AIによる添削の最大の利点は、即時に返ってくることと、有料会員なら回数制限を気にせず回しやすいことです。無料会員は、毎日補充されるポイントの範囲で利用します。
書き直しが本数より効く以上、回転の速さはそのまま上達の速さになります。型を身につける段階、とにかく本数と回数が欲しい段階に向きます。
AI添削で気をつけること
一方で、AIは基準に照らして正しさを見るのが基本です。「あなたが言いたかったこと」を推し量って直すという方向とは、性質が違います。
採点の精度についても、断定は避けるべきです。AIの評価は目安であり、人の採点と完全に一致するとは限りません。回数を稼ぐための道具、という位置づけで使うのが安全です。
無料の範囲で確かめられる
UGUIS.AIには無料会員があり、毎日補充されるポイントの範囲で機能を試せます。有料に切り替える前に、返ってくるフィードバックの中身を自分で確認できます。
準1級から3級の意見論述に加え、2024年度からの新形式にも対応しています。自分の級で追加された形式が練習対象に含まれているかを、先に確かめてください。
使える機能と対象形式は、UGUIS.AIの使い方と料金を確認した記事でも詳しく扱っています。
比較する2サービスでは、準2級プラス・準2級・3級はUGUIS.AIが対象
UGUIS.AIの対応級は準1級から3級とされています。1級を受験する場合、このサービスは選択肢に入りません。
準2級プラス・準2級・3級は、Best Teacherの英検対策コースでは対象外です。この記事で比較する2サービスの中では、この3級に対応するのはUGUIS.AIです。学校・塾・個人の先生などから人の添削を受けられる場合は、併用して回数と視点を補えます。
使い方を1つに決めておく
AI添削を導入するとき、決めておきたいのが使い方です。「毎回同じ問題を3回直す」という運用にすると、書き直しの回数が自然に確保できます。
新しい問題を次々に開くと、本数だけが増えて直した回数が増えません。回数を稼げる手段だからこそ、何の回数を稼ぐかを先に決めておく必要があります。
作文は、ほかの技能と同じ重さで合否に効く
対策の優先順位を決めるとき、配点の構造を知っておくと判断が変わります。作文だけを後回しにした場合、ほかの技能で埋めればよいとは言い切れません。
技能ごとに均等な配点
英検の合否はCSEスコアで判定され、各技能に均等な配点が割り振られています。ライティングは1題から2題に増えましたが、技能としての重さは他と同じです。
つまり作文が沈むと、読解やリスニングで挽回するのは難しくなります。1技能の穴は、他技能の上振れでは埋めにくい設計です。
だから「捨てる」判断が成立しない
リーディングなら、崩れたときに設問を捨てる判断ができます。しかし作文には、その余地がありません。
白紙で提出すれば、その技能の配点をまるごと失います。他の技能なら数問の損失で済むところが、作文では技能全体の損失になります。
苦手意識があるほど、先に手を付ける
作文を苦手に感じている人ほど、対策を後ろへずらしがちです。しかし添削を受けて直すという工程には、時間そのものが必要です。
書いて、返ってきて、直す。この1周には数日かかります。直前期に始めても、回転する回数が確保できません。
2週間で作文の型を作る進め方
ここまでを実行できる形にまとめます。期間は2週間を想定します。最初の週で共通形式、次の週で級別の追加形式を回すと、作業方向を混ぜずに済みます。
第1週:意見論述の型を固める
まず3級以上に共通する意見論述から入ります。型が先で、内容は後です。
この週に見る指標は「手が止まらなくなったか」です。点数はまだ見ません。
第2週:級別の追加形式に慣れる
型ができたら、自分の級で追加された要約またはEメールに入ります。
この週に見る指標は「作業方向を間違えていないか」です。要約に意見を足していないか。3級Eメールで2問に答えたか。準2級Eメールで答えと2つの質問をそろえたかを見ます。
作文でやりがちな失敗が4つある
避けたい進め方を挙げておきます。どれもよく見かけるものです。書く量を増やしても伸びないときは、次の4つのどれかが練習を空回りさせていないかを確かめてください。
1要約に自分の意見を足す
最も多い失敗です。意見論述の癖が、そのまま要約に持ち込まれます。2題を別の作業として扱う意識が要ります。
2提出しっぱなしにする
書いた本数だけが増えて、直した回数が増えない状態です。添削は受け取って終わりではなく、直して初めて効果が出ます。
3難しい表現を狙う
背伸びした構文を使うと、誤りが増えて伝わらなくなります。確実に書ける表現の範囲で、内容の要求を満たすほうが安全です。求められているのは難易度ではなく、単調にならないことです。
4本心を書こうとして止まる
意見論述で自分の本当の考えを探すと、時間が消えます。支えやすい立場を選ぶのが、この問題の正しい戦い方です。
- 要約に意見を足す
- 提出しっぱなしにする
- 難しい表現を狙う
- 本心を書こうとして止まる
英検ライティングのよくある質問
対策を始めるときに迷いやすい点をまとめます。級別形式、添削、AI採点、文法ミスまで、本文を読んだあとに残りやすい疑問へ短く答えます。
要約に自分の意見は入れていいですか?
求められているのは元の文章の要点をまとめることです。意見を加えると、問題の要求から外れる方向に進みます。
自分の級で要約が出るかどうか、どう確かめますか?
2級以上と準2級プラスが要約、準2級・3級がEメールという区分です。ただし出題形式は変更されることがあるため、受験前に公式でご確認ください。
添削してくれる人がいません。どうすればいいですか?
外部のサービスを使うことになります。最初に見るのは対応級、次に見るのは「無料でどこまで確かめられるか」です。人の添削は無料体験で1回まるごと受けられるので、まずそこから試すのが早道になります。
AIの採点は信用できますか?
目安として使うのが安全です。人の採点と完全に一致するとは限りません。ただし回数を稼ぐ道具としては、他に代えがたい速さがあります。
1日に何本書けばいいですか?
本数より書き直しの回数です。1本を3回直すほうが、3本を1回ずつ書くより効きます。
意見論述で理由が2つ思いつきません
自分の経験と一般的な事実の2方向から探してください。それでも出ないなら、立場を逆にしたほうが書きやすいことがあります。
文法ミスがあると大きく減点されますか?
要約・意見論述では、文法は4つの観点のうちの1つです。Eメールは内容・語彙・文法の3観点で見られます。いずれも課題の中心的な指示から外れると、すべての観点で0点になることがあります。
難しい単語を使ったほうが評価されますか?
公表されているアドバイスで求められているのは、同じ語や同じ形の文を繰り返さないことです。難易度そのものではありません。確実に使える範囲で変化をつけるほうが安全です。
賛成と反対の両方を書いてもいいですか?
立場を決めたら、その立場の材料だけで書くほうが安全です。矛盾する理由は、意見を支える理由として数えられず減点対象になるとされています。
要約は読解力が必要ですか?
必要です。元の英文を正しく理解できないと、残す情報を選べません。読解に不安があるなら、英検リーディングの対策を先に確認してください。
まとめ:どちらを書いているかを、まず見分ける
最後に、判断に迷ったときのために順序を整理しておきます。
- 2題は逆方向の作業:要約は減らす、意見論述は増やす
- 自分の級で追加された形式を先に確認する:2級以上と準2級プラスは要約、準2級・3級はEメール
- 作文は自己評価だけでは見落としやすい:自己点検に添削や採点のフィードバックを加えます
- 添削は対応級で絞ってから、段階で選ぶ:優劣ではなく適合の問題です
英検の作文が伸びない原因は、英語力より前に「どちらの作業をしているのか分かっていないこと」にあります。
見分けがついたら、あとは書き直しの回数を確保するだけです。回数を確保する手段は、自分の級と段階で決まります。
そして作文は、始めるのが遅いほど不利になる技能です。書いて、返ってきて、直すという1周には時間そのものが必要だからです。苦手だと感じているなら、その分だけ早く手を付けてください。
次に読む記事は、自分の級で追加された形式に合わせて選んでください。
- 要約が出る級(2級以上・準2級プラス) → 英検の要約問題の書き方
- Eメールが出る級(準2級・3級) → 英検のEメール問題の書き方
- 二次試験も不安がある → 英検スピーキングの対策
- 全体像から確認したい → 英検とは?改定で変わった点


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