- 要約問題で何を書けばいいのか分からない
- 自分の意見は入れたほうがいいのか迷う
- 元の文章のどこを拾えばいいのか基準がない
- 書いてはみたが、これで合っているのか判断できない
英検の要約問題でつまずく人の答案には、共通する特徴があります。元の文章に書かれていないことが、混ざっているという特徴です。
自分の考え、一般論、補足の説明。どれも英文としては正しく書けますが、要約では求められた要点を入れる余地を減らします。
先に結論を言います。要約は「減らす問題」です。足せば足すほど、求められているものから離れます。
筆者は英検1級に合格しており、日本最大級の英語サービスの運営に関わってきました。この記事では、英検協会が公表している内容をもとに、減点につながりやすい書き方を手がかりとして要約の作り方を逆算します。

要約って、自分の意見も少し入れたほうが内容が濃くなりませんか?

そこが落とし穴なんだ。濃くなるどころか、求められていないものが混ざったことになるんだよ。

じゃあ、元の文章をそのまま短くすればいいんですか?

長いかたまりを抜き出すだけでは足りないんだ。「選んで、意味を保ったまま短く組み直す」の2工程だと思っておくといいよ。
- 2025年度から変わった語数の扱いと、その意味
- 要約が出る級と、級ごとに求められる語数
- 拾うものと捨てるものの基準
- 本文の表現に寄りすぎていないかを見直す方法
まず、自分の級と語数を確かめる
2025年度から、要約問題の語数の示し方が変わりました。古い解説の「目安」という表現をそのまま受け取らず、受験級の現在の範囲を先に確かめます。

指示文そのものが書き換えられた
英検協会は2025年度第1回検定から、英文要約問題の問題冊子の指示文と解答用紙の表記を変更しました。対象は1級・準1級・2級・準2級プラスです。
変更内容は語数の示し方です。次の表は2026年7月27日に公式の案内で確認した内容です。
| 級 | 2024年度までの表記 | 2025年度からの表記 |
|---|---|---|
| 1級 | Suggested length: 90-110 words | Summarize it between 90 and 110 words. |
| 準1級 | Suggested length: 60-70 words | Summarize it between 60 and 70 words. |
| 2級 | 語数の目安は45語〜55語です | その内容を45〜55語の英語で要約し |
「目安」という言葉が消えています。解答用紙の表記も、2級であれば「語数の目安は45〜55語です」から「語数は45〜55語です」へ変わりました。
なぜ変えたのかも公表されている
理由も明示されています。従来の指示文では語数幅を「目安」として提示していたため、どの程度の語数で要約が求められるのかが受験者に分かりづらかったというものです。
英検のスコアが入試などで広く使われるようになり、より適切に能力を測る必要が出てきた。そこで語数幅を明確に示す形にしたという説明です。
対策として何が変わるか
実務的な影響は1つです。語数の範囲を外すリスクを、以前より重く見積もる必要があります。
「目安だから多少外れても大丈夫だろう」という判断は、指示文が変わった以上そのままでは通用しません。練習の段階から、語数を数える工程を必ず入れてください。
数える負担は、練習で減らせる
毎回きっちり数えるのは、本番では時間を食います。練習で「自分の1文はだいたい何語か」を把握しておくと、見当がつくようになります。
たとえば自分の平均が12語前後だと分かっていれば、2級の45〜55語は4文前後という目安が立ちます。文の数で管理できれば、数える作業は最後の確認だけで済みます。
級ごとの語数
要約問題が課される級と、指定される語数は次のとおりです。2025年度の表記変更資料と、各級の現行過去問を照合しています。
| 級 | 要約の語数 |
|---|---|
| 1級 | 90〜110語 |
| 準1級 | 60〜70語 |
| 2級 | 45〜55語 |
| 準2級プラス | 25〜35語 |
2025年度に新設された準2級プラスにも要約問題があります。準2級プラスのライティングは2級と同じ出題形式とされ、要約力の基礎を身につける設計になっています。
準2級・3級では要約は出ない
一方、準2級と3級で追加されたのはEメール問題です。要約ではありません。
自分の級で出ない問題の対策に時間を使わないよう、先に確認してください。2題の見分け方は英検ライティングの全体像で整理しています。
級が上がると、圧縮率が上がる
語数の数字だけを見ると、上の級ほど「たくさん書ける」ように見えます。しかし実際は逆です。
上の級ほど元の文章が長く、内容も抽象的になります。つまり同じ語数比で見れば、削らなければならない量は増えます。
書ける語数が増えたぶん楽になる、という発想は当てはまりません。増えた語数以上に、処理すべき情報量が増えていると考えておくほうが安全です。
準2級プラスは25〜35語で要約の基礎を問う
準2級プラスの要約は25〜35語と案内されています。2級の45〜55語と比べても、さらに短い設定です。
この短さでは、具体例を入れる余地がそもそもありません。主張と根拠の骨格だけを残す以外に、収める方法がない分量です。
準2級プラスのライティングは2級と同じ出題形式で、要約力の基礎を習得できるものとされています。
つまり語数を絞ることで、「選んで捨てる」という要約の本質だけを取り出している設計だと読めます。装飾を入れる余裕がないぶん、判断そのものが問われます。
上の級を受ける人にも使える練習法
ここから応用できることがあります。2級や準1級を受ける人でも、練習の段階でわざと短く書いてみるという方法です。
指定の半分の語数で書こうとすると、本当に必要な要素だけが残ります。そのうえで語数を足していけば、優先順位のついた要約になります。
意見論述とは、作業の向きが逆になっている
もう1題の意見論述と混同すると、根本から書き方を誤ります。

片方は増やし、片方は減らす
意見論述では、与えられたテーマに対して立場を決め、理由を自分で作り出します。手元に材料はなく、ゼロから増やす作業です。
要約は逆です。材料はすべて与えられていて、そこから選んで減らします。新しく作るものはありません。
- 意見論述:1つの立場から、理由と説明を増やしていく
- 要約:与えられた情報から、残すものを選んで減らす
混同が起きる理由
なぜ混ざるのか。意見論述のほうを先に練習している人がほとんどだからです。
意見論述は改定前から出ていた問題で、対策の蓄積も多い。「英作文といえば自分の考えを述べるもの」という前提が体に入った状態で、要約に取りかかることになります。
学校の授業でも、英作文といえば自分の考えを書く課題が中心です。積み上げてきた習慣そのものが、この問題では逆に働きます。意識して切り替える必要があるのは、そのためです。
切り替えのスイッチを言語化しておく
本番で混同を防ぐには、書き始める前の一言を決めておくのが有効です。
主張と根拠を残し、具体例と繰り返しを落とす
残すのは文章の主張とそれを支える根拠です。具体例や重複した説明を先に落とすと、指定語数の中に骨格が残ります。

段落の役割を見る
要約で拾う対象は、文の単位ではなく段落の役割で判断します。
英検の要約問題で扱われる文章は、段落ごとに役割を持って並んでいます。導入があり、主張があり、根拠があり、反対意見が挟まることもある。この構造をたどれば、拾うべき場所は自然に決まります。
| 段落の役割 | 扱い |
|---|---|
| 話題の導入 | 1文で触れる程度 |
| 主張 | 必ず拾う |
| 根拠 | 必ず拾う |
| 反対意見 | 骨だけ拾う |
| 具体例 | 原則として捨てる |
要点は段落の先頭か末尾にある
段落の役割を見抜く実務的な方法があります。各段落の最初の1文に注目することです。
英語の説明文では、段落の要点が先頭に置かれることが多くなっています。先頭の文だけを順に読むと、文章全体の骨格が浮かび上がります。
この読み方は、練習として単独でも有効です。先頭の文だけをつないで意味が通るかどうかを確かめると、その文章の骨格が見えているかを自己点検できます。
ただし例外はあります。具体例から入って、最後に要点を述べる段落もあります。
先頭の文が具体的な話だったら、その段落は末尾を見てください。要点は先頭か末尾のどちらかにあることがほとんどです。中ほどだけを見て判断しないことが大切です。
逆接は拾い、例示は捨てる合図になる
もう1つの手がかりが接続表現です。However、On the other hand、Therefore といった語は、話の向きが変わる合図になります。
これらの語の前後は、構造上の切れ目です。つなぎ語を目印にすると、どこまでが1つのまとまりかが判断できます。
とくに注意したいのが逆接です。「しかし」に相当する語のあとには、筆者の本当の主張が来ることが多くあります。ここを落とすと、要約全体の向きが変わってしまいます。
逆に、「たとえば」に相当する語のあとは、原則として捨てる対象です。
この対応関係を覚えておくだけで、拾う判断はかなり速くなります。逆接のあとは拾う、例示のあとは捨てる。読みながら印を付けていけば、要約の骨格はほぼ決まります。
具体例は最初に落とす
説明文には、主張を支えるための具体例が入ります。数字、事例、人名。読むときには理解を助けますが、要約では優先度が最も低くなります。
理由は単純です。具体例は「主張の一部」ではなく「主張の説明」だからです。骨格には含まれません。
文章の後半で、前に述べたことが言い換えられて再登場することがあります。この2つを両方拾うと、同じ内容で語数を消費します。
同じ内容が2回出てきたら、より簡潔に書かれているほうを1回だけ拾うのが基本です。
見分け方があります。最終段落は、それまでの内容をまとめ直していることが多いためです。ここに新しい情報がなければ、拾う対象は前半にあります。
反対意見は「あった」ことだけ残す
反対意見の扱いも整理しておきます。元の文章に「一方でこういう見方もある」と書かれていれば、それは文章の構造の一部です。
ただし中身まで詳しく書く必要はありません。「反対の見方も存在する」という骨だけ残せば、構造は保たれます。語数が厳しいなら、ここを最初に薄くします。
形容詞や副詞による細かい限定も、多くは削れます。
- 具体例:まっさきに落とす対象です
- 繰り返し:1回にまとめます
- 修飾の細部:程度や条件の限定を外します
- 反対意見の詳細:存在だけ残して中身を削ります
主張と根拠は、最後まで削らない対象です。ここを削ると要約として成立しなくなります。
本文の表現を並べるだけでは、言い換えを示しにくい
要約のもう1つの要求が言い換えです。ここを軽く見ると、内容が合っていても評価が伸びません。

抜き出しだけでは、情報を選んで組み直した過程が見えない
元の文章の表現をそのまま並べた答案では、要点を選び、関係を整理して短くした過程が伝わりにくくなります。
英検協会の準2級プラス向け解説でも、抜き出したままでは語数に収まらない場合に、自分の表現で言い換える考え方が示されています。目的は全単語の置換ではなく、意味を保ったまま短く組み直すことです。
言い換えは難しい語に置き換えることではない
ここで多くの人が身構えます。しかし難しい同義語を探す必要はありません。
構造を変えるだけでも、立派な言い換えになります。
- 品詞を変える:名詞を動詞に、動詞を名詞にする
- 2文を1文にまとめる:接続詞や関係詞で結ぶ
- 上位の言葉に置き換える:個別の例を「そうした方法」のようにまとめる
- 語順を変える:能動と受動を入れ替える
どれも中学・高校で学んだ範囲の操作です。語彙力の問題ではなく、組み替えの技術だと考えてください。
短い自作例で、言い換えの順序を確かめる
言い換えは、単語帳から同義語を探す作業ではありません。先に「何がどうなったか」を取り出し、その関係を別の形で組み直す作業です。著作権のある過去問ではなく、次の短い自作例で順序を見てみましょう。
Many schools introduced online meetings. As a result, students could join club activities from home.
この2文で残す骨格は「学校がオンライン会議を導入した」「その結果、生徒が自宅から部活動に参加できた」の2点です。学校数の多さを中心に論じる文章でなければ、manyは削る候補になります。As a resultが示す因果関係は落とせません。
たとえば、Online meetings allowed students to join school club activities from home. と1文にまとめられます。ここでは、schools introducedという行為をonline meetingsを主語にした結果へ組み替え、As a resultをallowedの意味に含めています。難しい単語は使っていませんが、2文の関係は保たれています。
一方、Online meetings made all students enjoy clubs at home. とすると意味が変わります。元文には「全員」「楽しんだ」とは書かれていないからです。短くなっても、元文にない対象・感情・程度を足したら要約ではありません。
直した文は、次の順で照合します。
- 主語と対象:誰についての話かを変えていないか
- 因果と対比:理由・結果・逆接の向きを反転させていないか
- 程度:一部を「すべて」に、可能性を「確実」に変えていないか
- 追加情報:元文にない評価や感情を入れていないか
この4点が保たれていれば、中心語が一部残っていても問題ありません。反対に、単語をすべて別の語に置き換えても、因果や程度が変われば正しい言い換えにはなりません。語の見た目より、情報と関係が同じかを優先するのが要約の安全な直し方です。
練習では、元文を閉じて書いたあと、もう一度開いて4点を照合してください。見ながら書くと表現をそのまま借りやすく、閉じたままでは意味のずれに気づけません。「閉じて組み直す→開いて事実関係を戻す」の2段階に分けると、自分の言葉と正確さを両立しやすくなります。
固有名詞や専門語は無理に変えない
例外もあります。言い換えの利かない語まで無理に変えると、意味がずれます。
その分野を指す言葉、数値、固有の名称。これらはそのまま使って構いません。言い換えるべきなのは、説明の仕方のほうです。
どこまで変えれば「自分の言葉」か
線引きに迷う人が多い部分ですが、「語順か品詞を1つ変えれば十分」という固定基準はありません。元の意味と論理関係を保ちつつ、不要な情報を削り、文の構造を組み直せているかで確かめます。
すべての語を置き換える必要はありません。固有名詞や中心語は残し、説明の仕方と情報の並べ方を変えると、意味をずらさずに圧縮できます。
言い換えを練習する簡単な方法
日常的にできる練習があります。元の文章から1文だけ選び、それを2通りの言い方で書いてみるというものです。
要約全体を作る必要はありません。1文の組み替えを繰り返すだけで、言い換えの引き出しは増えます。移動中でも成立する練習です。
採点の観点に当てはめると、失敗の意味が見える
なぜ意見を足すと不利になり、抜き出しだけでは要約力を示しにくいのか。採点の観点に当てはめると理由がはっきりします。
公表されている4つの観点
英検協会は、英文要約の採点観点として内容・構成・語彙・文法の4つを示しています。2026年7月27日時点で公表されている内容です。
| 観点 | 見られていること |
|---|---|
| 内容 | 課題で求められている内容が含まれているか |
| 構成 | 英文の構成や流れが分かりやすく論理的か |
| 語彙 | 課題に相応しい語彙を正しく使えているか |
| 文法 | 文構造のバリエーションを正しく使えているか |
意見を足すと、求められた内容を入れる余地が減る
内容の観点は「課題で求められている内容が含まれているか」を見ます。自分の意見を足しただけで、評価が上がるとは考えられません。
さらに厄介なのは、意見を書いたぶんの語数です。限られた範囲の中で意見に語数を使えば、拾うべき論点が入りません。
抜き出しだけでは、語彙と文構造を選ぶ力を示しにくい
語彙では、課題に合う語を正しく使えているかが見られます。文法では、文構造を正しく使えているかが見られます。
元の文章から長いかたまりを抜き出して並べるだけでは、自分で語彙や文構造を選び、情報を圧縮したことを示しにくくなります。ただし、本文と同じ単語を使っただけで一律に不利になるわけではありません。
構成と文法は要約でも同じように見られる
構成と文法も、要約の読みやすさを左右します。拾った要素を並べただけで流れがないと、論理関係が伝わりません。
つなぎ語を使って論理関係を示す。「主張があって、その根拠がこれ」という関係が読み取れる形にする。短い文章でも、ここは要求されます。
要約は5工程で作る
行き当たりばったりで書くと、必要な要点が抜けたり、最後に語数が合わなくなったりします。書く前に拾う対象を決め、次の順で進めます。

書き始める前に、拾う対象を決め切ってください。
日本語で骨格を決め、慣れたら省く
慣れないうちは、拾う作業を日本語でやってから英語にするほうが確実です。
英語で考えながら拾おうとすると、書ける表現に引きずられて拾う内容が歪みます。まず日本語で骨格を決め、それから英語にする。工程を分けると精度が上がります。
これは練習だけの話ではありません。本番でも、問題冊子の余白に日本語で骨格をメモしてから書き始めるほうが安全です。
いきなり英語で書き出すと、途中で拾い漏らしに気づいて書き直すことがあります。数十秒メモしておけば、途中で書き直す時間を減らせます。
もちろん、日本語を経由するぶん時間はかかります。練習で判断が安定してきたら、段階的に省いて構いません。
省く順序は、まず主張の特定から。拾う判断が速くなった部分から、日本語を外していくのが現実的です。
語数を数える工程を飛ばさない
本番でも、書き終えたら必ず数えてください。語数の指示は「目安」ではなくなっています。
数えるのに時間はかかりません。数え忘れて範囲を外すのは、内容の問題ではなく手順の問題です。防げます。
「主張・根拠・締め」の3ブロックで並べる
要約に与えられる語数は、2級で45〜55語、準1級で60〜70語です。この分量で凝った構成を作る余地はありません。
必要なのは、読んだ人が論理関係をたどれることだけです。3つのブロックに分けて並べれば、それで成立します。
- 何についての文章か+主張:話題と、筆者が言いたいことを示します
- その根拠:主張を支えている理由を並べます
- 結び:反対意見があれば触れ、締めます
ブロックごとに語数の見当をつけておく
構成を決めると、語数の配分も決まります。全体の半分近くを根拠に使うのが目安になります。
主張だけが長くて根拠が一言、という配分は避けてください。要約で情報量が多いのは根拠の部分だからです。
配分が崩れる典型が、導入に語数を使いすぎるパターンです。「この文章は〜について述べている」という前置きは、短く済ませて構いません。そこに凝ると、肝心の中身が入りません。
つなぎ語は少数を確実に使う
論理関係を示すのに、多くの表現は要りません。理由を示す語、対比を示す語、結論を示す語。この3種類が使えれば足ります。
覚える量を増やすより、確実に正しく使える少数を持っておくほうが安全です。文法の観点でも、誤用は不利に働きます。
- 自分の意見を足す
- 長いかたまりを抜き出す
- 具体例を残す
- 語数の範囲を外す

書いたあとは、元文・音読・別の読み手で見直す
要約は、書き終えたときの満足感が高い問題です。元の文章の内容を並べているので、間違っている感じがしません。
しかし内容が合っていることと、要約として成立していることは別です。本文の表現に寄りすぎている、論点を落としている。この2つは自分だけの見直しでは見落としやすくなります。
元文と照合して要点を確かめる
見直しても気づけないのは、視点が同じだからです。書いたときの理解のまま読み返すので、抜けている論点は抜けたまま素通りします。
必要なのは、元の文章と答案をいったん離して見比べることです。それでも判断しにくければ、別の読み手に、要点が残っているかを確認してもらうと見落としを減らせます。
解答例と照らし合わせる方法にも限界があります。示されるのはあくまで一例で、拾い方の選択肢は複数あるためです。形が違っても成立する場合があり、似ていても論点を落としている場合があります。
声に出して語順とつながりを確かめる
もう1つ、自分でできる確認方法があります。書いた要約を声に出して読むことです。
音読で詰まった箇所には、長すぎる文、不自然な語順、接続の弱さが隠れていることがあります。ただし、詰まったことだけで「本文の写し」と判定はできません。発音や単語への慣れでも止まるからです。
この方法の便利な点は、読みづらい場所の候補が見えることです。詰まった箇所に印を付け、元の文章との距離、語順、文の長さを順に確かめます。
全体を見直そうとすると、どこを直せばいいか分からず手が止まります。「口が止まったところ」という物理的な指標があると、作業が進みます。
別の読み手に、要点と表現を見てもらう
英作文を書き、外国人講師の添削を受け、添削後の英文でスピーキングレッスンに進むという進め方を提供しているサービスがあります。
要約と相性がいい理由は2つあります。
- 別の読み手が要点と表現を見る:拾い漏れや不自然な言い換えを質問できます
- 添削後の英文を話して確認する:語順やつながりを自分の口で確かめられます
自動フィードバックは短時間で回数を作りやすく、人の添削は返された理由を質問できるという違いがあります。要約では、速さと対話のどちらが今の不足かで使い分けます。
Best Teacherは1級・準1級・2級に対応する
Best Teacherの英検対策コースは、1級・準1級・2級に対応し、各級に新形式の要約問題を10問ずつ用意しています。
ただし準2級プラスは対応級に含まれていません。準2級プラスを受験する場合は、この手段は選択肢に入らないので注意してください。

語数に収めるための、削り方と足し方
範囲が明示された以上、語数の調整は手順として持っておく必要があります。
多すぎるときの削り順
書いてみたら範囲を超えていた。この場合、削る順序は決まっています。
- 具体例の記述:残っていれば最初に落とします
- 修飾語:程度や条件の限定を外します
- 2文を1文に結合:接続詞や関係詞でまとめます
- 名詞句への圧縮:説明の節を短い名詞のかたまりにします
主張と根拠には手を付けません。ここを削ると、語数は合っても要約として不足します。
少なすぎるときの足し方
逆に足りない場合は、新しい情報を追加するのではなく、拾い漏らした論点を探します。
自分の意見で埋めるのは最悪の手です。元の文章に戻って、拾っていない根拠がないかを確認してください。
それでも足りないなら、すでに拾った内容の説明を少し詳しくします。元の文章の範囲内で厚くするのが原則です。
経験的に、語数が足りない答案には共通点があります。主張は書けているが、根拠を1つしか拾っていないというパターンです。
元の文章に根拠が2つあれば、両方が拾う対象です。語数が余っているなら、まず「根拠はこれで全部か」を確認してください。ここで見つかった拾い漏れは、内容の観点にも効いてきます。
どうしても数語足りないとき、接続表現を加えるという手はあります。ただし意味のない語を挟むと、構成の観点でかえって不自然になります。
論理関係が実際にあるところにだけ入れる。語数調整のためだけのつなぎ語は入れないほうが安全です。
語数の数え方
数え方でも迷いが出ます。細かいルールは公式の案内に従ってください。
2週間で要約の型を作る
ここまでの内容を、実行できる形にまとめます。

第1週:日本語で拾う練習だけをする
最初の週は英語を書きません。拾う基準を作ることに集中します。
この週に見る指標は「拾う判断が安定したか」です。英語の出来はまだ見ません。
第2週:英語で書いて、直して、声に出す
2週目で英語に移し、確認の工程まで通します。
この週に見る指標は「同じ指摘が減ったか」です。添削理由を反映して書き直し、次の答案で同じ問題を繰り返さないことを目指します。
本数を多く回す段階では、AIによるフィードバックで待ち時間を短くする方法もあります。一方、人の添削は指摘の理由をやり取りで確かめやすいのが違いです。使い分けは英検ライティングの全体像とUGUIS.AIの解説記事で扱っています。
英検の要約問題に関するよくある質問
本文でまだ残る、練習量・読解・時間配分の疑問に答えます。
1日に何本書けばいいですか?
本数より、1本を直して書き直す回数です。同じ問題を3回直すほうが、3本を1回ずつ書くより身につきます。
元の文章が理解できないときはどうすればいいですか?
全体が分からなくても、各段落の先頭の文だけを拾えば骨格は取れることがあります。すべてを理解してから書こうとせず、拾える情報から組み立ててください。
時間配分はどう考えればいいですか?
要約は読む工程を含むため、意見論述より時間がかかります。作文2題ぶんの時間を先に確保してから、残りをリーディングに配分するのが安全です。
まとめ:自分の考えは、ここでは求められていない
- 要約は減らす問題:足すほど課題の要求から離れます
- 語数はもう目安ではない:2025年度から範囲を明示する表記に変わりました
- 拾うのは主張と根拠、捨てるのは具体例と繰り返し:基準を持てば迷いません
- 音読は不自然さを探す補助になる:詰まった場所を、元文との距離・語順・長さの順に見直します
要約問題で最初に確認すべきことは、書き方のテンプレートではありません。その一文が、元の文章に書いてあるかどうかです。
この確認さえ習慣になれば、大きく外すことはなくなります。あとは拾う精度と、言い換えの練習を重ねるだけです。
そして要約は、新しく追加された問題なので、対策の蓄積が受験者全体でまだ薄い領域です。基準を持って練習した人と、テンプレートを覚えただけの人で差がつきやすい状態にあります。
次に読む記事は、目的で選んでください。
- 2題の見分けから確認したい → 英検ライティングは2題|逆方向の作業
- Eメール問題も知りたい → 英検のEメール問題の書き方
- 読む段階で詰まっている → 英検リーディングの対策
- 全体像から確認したい → 英検とは?改定で変わった点


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