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【音声学Ⅶ】半母音(w/j)の定義・特徴・具体例

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言語学
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この『音声学Ⅶ』では〈半母音〉について見ていきます。

〈半母音〉とは、調音の仕方は母音に似ているが、単独で音節を作らないという点で子音に似ている特徴を持つ言語音です。

この記事では、半母音の定義や具体例に関する情報をお届けします。ぜひ最後までご覧ください。

子音の種類・分類法・記述・具体例
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【基礎知識】音声学(Phonetics)とはどんな学問か?

本題に入る前に、そもそも音声学とはどんな学問か?ということに触れておきます。

音声学は、言語学の1つの分野であり、人間の言語の(物理的な)音に注目します。また、以下のように3種類の音声学が代表的です。

音声学の定義は「言語音がどうやって作られ、空気中を伝わり、耳で理解されるか」です。」

つまり音声学の定義は、人間の言語に使われている音が「どのように作られ」、「どのように空気中を伝播し」、「どのようにして聞き取られ理解されるのか」、を研究する学問です。

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【音声学Ⅰ】音声学とは何か?定義/種類/音韻論との違いをわかりやすく解説

言語学における音声学の位置付け

ここで言語学全体における音声学の立ち位置を確認しておきましょう。

言語学の分類・種類「音声学・音韻論・形態論・統辞論・意味論・語用論」

言語には、大雑把に言うと「音」「構造」「意味」の3つの側面がありますが、音声学は、名前の通り言語の「音」に注目します。

音声学のおさらいは以上です。次から本題の〈子音〉について見ていきます。

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半母音(semivowel)の立ち位置

「半母音」という名前を見て分かる通り、〈半母音〉という言語音は「母音の性質と子音の性質をそれぞれ半分ずつ持っています。

言語音は、分節音と超分節音に分類でき、分節音は更に子音と母音に分類できる

言語音全体における半母音の立ち位置

そのため、言語音の全体の中で半母音の立ち位置を示すなら、上記のイラストのように母音と子音の両方に属した形になるでしょう。

しかし一般的には、後述するように〈半母音〉は子音のIPAチャートに載っているため、教科書などでは子音のチャプターに「半母音(semivowel)」という用語が登場することが多いと思います。

上の図を通して、今回のトピックである〈半母音〉が言語音全体の中でどの立ち位置にあるのか簡単に押さえておきましょう。

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【音声学Ⅲ】言語音の分類(超分節音/分節音/母音/子音/半母音)

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【音声学Ⅴ】母音の全体像 (分類・種類・チャート・調音記述・IPA記述・具体例)

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【音声学Ⅵ】子音の全体像 (分類・種類・チャート・調音記述・IPA記述・具体例)

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半母音(semivowel)の定義・特徴

前述したように、半母音という言語音は、母音と子音の特徴をそれぞれ有しています。

それぞれどのような特徴を有しているのでしょうか?〈半母音〉は次のように説明することができます。

半母音調音の仕方は母音に似ているが、単独で音節を作らないという点で子音に似ている

少し難しい言い方をすると、調音音声学的観点から見れば母音的であるが、機能的観点から見れば子音である、と言えます。

 

さて、このような特徴を持った〈半母音〉ですが、実際に半母音にはどのような分節音が含まれるのでしょうか?次に具体例を見てみましょう。

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半母音(semivowel)の具体例

現代アメリカ英語において、〈半母音〉は〈わたり音(接近音)〉の別名とも言うことができます。

実際の半母音の具体例は、以下のIPAチャートで緑色で囲った部分です。

わたり音(接近音)は、調音の仕方は母音に似ているが、単独で音節を作らないという点で子音に似ていることから、半母音とも呼ばれる

このように、〈半母音〉は確かに母音と子音の両方の特徴をそれぞれ有するのですが、実際には子音のIPAチャートに登場しているのです。

この理由は、IPAチャートが「音の物理的な作り方」に注目しているためであり、それぞれの音の機能的特徴には注目していないからと言えるでしょう。
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全体のまとめ

『音声学Ⅶ』では〈半母音〉について見てきました。

半母音とは、調音音声学的観点から見れば母音的であるが、機能的観点から見れば子音である、という母音と子音の特徴を半分ずつ有した言語音のことであり、現代アメリカ英語においては、〈わたり音(接近音)〉と一致します。

わたり音(接近音)は、調音の仕方は母音に似ているが、単独で音節を作らないという点で子音に似ていることから、半母音とも呼ばれる

また、IPAチャートが調音の観点に注目しているため、調音が母音と似ている半母音は、子音のIPAチャートに登場します。

以上が簡単ではありますが半母音のポイントでした!

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