言語学

【音声学Ⅲ】言語音の分類・種類・特徴(超分節音/分節音/母音/子音/半母音)

この記事では、「言語音の分類」について簡単に扱います。

〈音声学〉とは、人間の言語に使われている音がどのように作られ、どのように空気中を伝播し、どのようにして聞き取られ理解されるのか、を研究する学問です。

その基本として、「言語音にはどんな音の分類があるのか?」ということを知っておくことで、今後の音声学の理解に役立つはずです。

結論としては以下の通りです。

言語音は、分節音と超分節音に分類でき、分節音は更に子音と母音に分類できる

今回は簡易的ではありますが、当サイトの音声学の記事で扱っていく「音たち」の自己紹介をしていきます。

今回のテーマ言語音の種類・分類

 

 

基礎知識

【音声学Ⅰ】音声学とは何か?定義/種類/音韻論との違い

音声学に関する基礎知識は上記のリンク先で解説していますが、当記事でも簡単におさらいしています。

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【基礎知識】音声学(Phonetics)とはどんな学問か?

本題に入る前に、そもそも音声学とはどんな学問か?ということに触れておきます。

音声学は、言語学の1つの分野であり、人間の言語の(物理的な)音に注目します。また、以下のように3種類の音声学が代表的です。

音声学の定義は「言語音がどうやって作られ、空気中を伝わり、耳で理解されるか」です。」

つまり音声学の定義は、人間の言語に使われている音が「どのように作られ」、「どのように空気中を伝播し」、「どのようにして聞き取られ理解されるのか」、を研究する学問です。

言語学における音声学の位置付け

ここで言語学全体における音声学の立ち位置を確認しておきましょう。

言語学の分類・種類「音声学・音韻論・形態論・統辞論・意味論・語用論」

言語には、「音」「構造」「意味」の3つの側面がありますが、音声学は、名前の通り言語の「音」に注目します。

音声学のおさらいは以上です。次から本題の〈言語音〉について見ていきます。

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【図解】言語音の分類図

言語音の分類は複数の方法がありますが、最も一般的には次のような分類を提示することができます。

言語音は、分節音と超分節音に分類でき、分節音は更に子音と母音に分類できる

全体像は以上の通りですが、以下でそれぞれ個別に見ていきたいと思います。

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分節音(Segments)について

言語音は、最初の分岐点で「分節音vs超分節音(的特徴)」という2種類に分かれます。

そのうち、前者の〈分節音〉とは、「節々に分けられる最小単位の音」のことを指します

IPA(国際音声記号)と関連付けて言えば、「IPAの文字1つで表される言語音」です。

この点に関して注意事項があるので後述します。

要は、(現代アメリカ英語においては)〈母音〉と〈子音〉のことです(半母音含む)。

〈調音音声学〉においては最も基本的な音として扱われます。

補足説明:綴り字と混合しないように注意

〈分節音〉は、「IPAの文字1つで表される言語音」と表現することができますが、綴り字(スペル)とは別問題です。

というのも、歴史の紆余曲折あり、現代英語では、綴り字と発音は完全に一致しないからです。

以下のチャートをご覧ください。

単語アルファベットの数IPA (IPAシンボルの数)分節音の数
cat3 (c/a/t)[kæt] (3)3
knot4[nɑt] (3)3
book4[bʊk] (3)3
knock5[nɑk] (3)3
through7[θɹu] (3)3

このように、現代アメリカ英語では、「1つの音は1つのアルファベットで必ずしも表されるわけではない」というのが現状です。

この問題点を解決するために考案されたのが〈IPA〉であり、このIPAシンボル1つは1つの〈分節音〉を表します。

IPAについてはこちら

音声学で必ず登場するIPAについて詳しく解説しています。

【音声学Ⅳ】IPA(国際音声記号)の概要と利点

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母音(Vowels)について

母音に関しては、別記事で詳細に取り上げる予定なので、今回は大雑把にしか扱いません。

〈分節音〉に含まれる言語音の1つが〈母音〉です。

色々と特徴や分類を説明することはできますが、今回は子音との対立点を意識して、以下のように説明しておきます。

母音口の中で気流が妨げられることなく発せられ調音される言語音

母音について詳しくはこちら

現代アメリカ英語において、母音のIPAチャートは次のようになっています。

【音声学】アメリカ英語における母音は舌の高低、舌の前後、円唇性から分類される

 

もっと知りたい

【音声学Ⅴ】母音の基礎知識 (分類・種類・チャート・調音記述・IPA記述・具体例)

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子音(Consonants)について

子音に関しては、別記事で詳細に取り上げる予定なので、今回は大雑把にしか扱いません。

〈子音〉に関しtメオ色々と特徴や分類を説明することはできますが、今回は母音との対立点を意識して、以下のように説明しておきます。

子音声道・口内で何かしらの妨げや閉塞を被って調音される言語音

子音に関する詳細記事

現代アメリカ英語において、子音のIPAチャートは次のようになっています。

現代アメリカ英語における子音のIPAチャート

もっと知りたい

【音声学Ⅵ】子音の全体像 (分類・種類・チャート・調音記述・IPA記述・具体例)

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半母音(Glides)について

半母音に関しては、別記事で詳細に取り上げる予定なので、今回は大雑把にしか扱いません。

〈半母音〉とはその名の通り、以下のように説明できます。

半母音母音と子音の特徴を半分ずつ持った言語音

調音方法に関しては母音の特徴を持っていますが、単独で音節を形成しないという点では子音の特徴を持っています。

すなわち、「音声学的観点から見れば母音であるが、機能的観点から見れば子音である」という特徴をもっているのが〈半母音〉です。

半母音に関する詳細記事

現代アメリカ英語の場合、半母音は子音のIPAチャートに登場する〈わたり音〉(接近音とも呼ぶ)と一致し、その別名と言うことができます。

わたり音(接近音)は、調音の仕方は母音に似ているが、単独で音節を作らないという点で子音に似ていることから、半母音とも呼ばれる

もっと知りたい

【音声学Ⅶ】半母音(w/j)の定義・特徴・具体例

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超分節音(Suprasegmentals)について

超分節音に関しては、別記事で詳細に取り上げる予定なので、今回は大雑把にしか扱いません。

今までの話は全て〈分節音〉に関するものでしたが、言語音には〈分節音〉ではないものが存在します。それが〈超分節音〉です。

〈超分節音〉は、その名の通り「分節音を超えた音」です。1つ1つに分けられた音ではなく、「とある特徴」を持った音のことを指します。

その「とある特徴」とは、以下のようなものがあります。

超分節音が持つ特徴

  • 長さ(length)
  • 音高(pitch)
  • 強勢(stress)

このような特徴を持った言語音が〈超分節音〉です。

超分節音に関する詳細記事

更新予定

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全体のまとめ【言語音の分類】

今回は、言語音の分類・種類について見てきました。

言語音は、分節音と超分節音に分類でき、分節音は更に子音と母音に分類できる

 

  • 分節音
    「節々に分けられる最小単位の音」のこと。または「IPAの文字1つで表される言語音」
  • 母音
    口の中で気流が妨げられることなく発せられ調音される言語音
  • 子音
    声道・口内で何かしらの妨げや閉塞を被って調音される言語音
  • 半母音
    母音と子音の特徴を半分ずつ持った言語音。または「音声学的観点から見れば母音であるが、機能的観点から見れば子音である」というという特徴を持った言語音
  • 超分節音
    分節単位を超えた音声的特徴のこと

 

個別の言語音については、別途記事で詳しく取り上げます。下記の音声学投稿一覧からご覧ください。

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