今回は、〈進行形〉が未来を表す用法について扱います。
「現在進行形は“いま〜している”なのに、どうして未来の予定にも使えるの?」と疑問に思ったことがある人もいるはずです。
結論からいうと、進行形の未来は、単に未来のことを言っているのではありません。予定や準備がすでに動き始めている未来を表します。
つまり、まだ未来の出来事ではあるけれど、その出来事に向かう流れはもう始まっている。だから、willで表す未来とは少し見え方が違います。
現在進行形はなぜ未来を表せるのか?
この記事では、現在進行形が未来を表せる理由を、例文とイメージで考えます。進行形全体の用法を先に整理したい場合は、進行形の使い方と意味もあわせて読むと見通しがよくなります。
現在進行形が未来を表す例文
まずは、『進行形にすると未来の表現になる』というのを例文で確認してみましょう。
〈例文〉
上の例文で示されているように、進行形を使うと、「~する予定だ」のような未来を表現することができます。
進行形で表される未来は、確定的で変更の余地が少ない出来事だとされています。
なぜ進行形にすると確定的な未来を表現できるのでしょうか?
現在進行形が未来を表せる理由
『進行形で未来を表現できる理由』
それは、イベントの捉え方にあります。
例えば、次の例文を考えてみましょう。

この場合、イベントとは、‘leave for London’「ロンドンへ向けて出発する」ということです。
このイベントを、細分化して捉えているのです。
「ロンドンへ向けて出発する」というイベントを5つに細分化すると、以下のようになります。
「ロンドンへ向けて出発する」というイベントのためには、(少なくとも)上の①~⑤のステップが必要なのです。
それでは、例えば次のような場面を想定してみましょう。
その場合、既に「ロンドンへ向けて出発する」というイベントの半分近くまで進行していることなります。
そして、そのまま進行していけば、近い未来で「ロンドンへ向けて出発する」というイベントは実現されるはずです。
だから、進行形にすると未来を表すことができるのです。
アニメーションで理解する進行形のイメージ
『進行形で未来を表す』というイメージをアニメーションで表現してみました。
細分化されたイベントが進行していくと、それに伴い「ロンドンへ向けて出発する」という未来のイベントも徐々に実現されていくのがお分かりいただけると思います。
進行形による未来表現は、このイメージが重要です。
今回のテーマ進行形にすると未来表現になる理由
⇨「最終的なイベント実現」に向けて進行していることを表すから
これで結論は説明できました。あとは例文を通して『進行形による未来表現』の理解を深めてしていきましょう。
現在進行形の未来表現とwillの違い
先ほどのアニメーションのイメージを踏まえて、もう1度例文を見てみましょう(例文①はさきほど解説したので省略します)。
〈例文〉
〈進行形〉で表されるのは、
『確定的な未来』ということを踏まえて、どんな場面で使用される表現なのか、そして
未来表現で有名な will を使った場合との違いを確認してみましょう。
進行形による未来表現と will による未来表現の違いを比較する
例文②
〈例文②〉They are getting married next month.
「彼らは来月結婚する予定だ」
この例文で実現させるイベントとは「結婚する」ということです。
先ほどと同じように「結婚する」というイベントを細分化してみましょう。
「結婚する」⇨ 付き合う + プロポーズする + 婚姻届に記載する + 役所に提出する
だいたいこんな感じでしょうか(本来はここに書ききれないような幸せと苦難の連続なのでしょうが…)。
そしてこの例文では、既に付き合っていて、プロポーズもされていて、あとは婚姻届を役所に提出するだけといった「結婚」の過程の半分まで進行していることが予想できます。
そして約半分まで進行しているということは、おそらく今後変更の可能性はあり得ません。だから『確定的な未来』とされているのです。
あとはそのまま進行していけば、「結婚する」という未来のイベントが実現されるはずです。
willを使った場合だと…
〈will〉They will get married next month.
彼らは来月、結婚するだろう。
will を使った場合と比較してみましょう。
will の場合は、確定的な未来でなくても問題ありません。
そのため、根拠がない推測で
というニュアンスが含まれることになります。
✔補足説明
will には、
(大きく分けて)〈意志〉と〈推量〉の用法がありますが、主語が2・3人称の場合は〈推量〉の意味になることが
多いです。一方で、主語が1人称の場合は〈意志〉の意味になります。というのも、自分以外の人物(つまり2・3人称)の気持ちは分からないから、推量することしかできないのです。それに比べて、自分(1人称)の気持ちは自分が一番よく知っています。だから
willは〈意志〉の意味になるのです。
[参考記事]
【助動詞】法助動詞willの用法とコアイメージ
例文③
〈例文③〉 I am meeting Jim this evening.
私は今晩、ジムに会う予定だ。
この例文における未来で実現されるイベントとは「ジムに会う」ということです。
「ジムに会う」というイベントを細分化してみると、
「ジムに会う」⇨ 日程を決める + どこで会うか決める + 目的地へ行く
この例文では、ジムと何時にどこで集合するかも既に決まっていることが想定されています。あとは電車に乗って目的地へ行くだけ!といった感じです。
つまり、「ジムに会う」というイベントの半分まで進行しているため、このまま進行していけば「ジムに会う」という未来のイベントが必然的に実現されるはずです。
willを使った場合だと…
〈will〉I will meet Jim this evening.
私は今晩、ジムに会うつもりだ。
先ほどの説明通り、主語が1人称なので〈意志〉の例文です。
will を使った場合だと、確定的な未来ではありません。
つまり、ジムと今晩会う約束をしていなくても、この表現は使えるのです。
つまり、
という〈意志〉の意味が強くなります。
よく『willはその場の思い付き』と説明されることが多いですが、まさにその通りです。『「ジムに会う」というイベント実現のために何もやってないけど、ただ「ジムに会う」という思いはあるんだ』といった感じですね。
例文④
〈例文④〉 Tom is coming at ten o’clock.
トムは10時に来る予定だ。
この例文における未来で実現されるイベントとは「(トムが)10時に来る」ということです。
次のようなシチュエーションを想定してみましょう。
トムは電車で待ち合わせ場所に来ます。
そしてトムは9:50現在、待ち合わせの○○駅の2つ手前の△△駅まで来ています。
△△駅から○○駅までは10分の乗車時間です。
例文④はこのようなシチュエーションで使われます。
このような場面だと、トムは「10時に来る」というイベントの半分以上(9割ほど)まで進行しています。
2つ手前の駅まで来ておいて、これから来ないということは(普通)考えられません。
つまり、あとはそのまま進行していけば、「10時に来る」という未来のイベントが確定的に実現します。
willを使った場合だと…
〈will〉Tom will come at ten o’clock.
トムは10時に来るだろう。
この場合だと、やはり確定的な未来ではありません。
つまり使われるシチュエーションとしては、
といった感じになります。
進行形による未来表現と比べて、推量の意味が強くなっています。
理屈やイメージで理解するメリット
今まで見てきたように、『進行形による未来表現』の理屈をアニメーションを使って理解することで、willとの違いも明らかになり、『使える英語』に一歩近づいたのではないでしょうか。
こんな悩みや疑問を感じたことがある方も多いのではと思います。
- 『英文法は何の役にも立たない』
- 『英文法ができても、話せるようにならない』
と毛嫌いされる英文法ではありますが、少しは英文法も『使える英語』に貢献していることを実感していただければ嬉しい限りです。
willとの違いをもう少し広く見るなら、
willと現在形の違いも参考になります。現在進行形・現在形・willは、どれも未来を表せることがありますが、話し手が見ているものが少しずつ違います。
進行形を文型と用法から理解する関連記事
今回の記事では、『なぜ現在進行形で未来を表せるのか』という問題にスポットを当ててきました。
ここから進行形の理解を広げるなら、用法全体と文型の見方をつなげると読みやすくなります。
- 進行形の使い方と意味:未来表現だけでなく、進行形がどんな場面で使われるのかを整理できます。
- 進行形の文型:be + 現在分詞を、文型の中でどう見ればよいかを確認できます。
全体のまとめ
今回は、『進行形による未来表現』の理屈を考えてみました。
大事なのはこのイメージです。
このイメージがあるから、進行形でも未来を表すことができるのです。
そして理屈やイメージで覚えることによって、will との違いも明らかになりました。
今回のポイントです。
- 進行形で表される未来は、イベントを細分化しているイメージ
- 進行形で表される未来は、確定的な出来事である。
用語も整理しておきます。
今回もご覧いただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
コメント