a friend of mine は、直訳すると「私のものの友だち」のように見えます。of と mine の両方が所有を表しているなら、なぜ二重に重ねるのでしょうか。また、「私の友だち1人」なら a my friend と言えそうなのに、この形は使えません。
答えは、a、my、mine が同じ仕事をしていないことにあります。a friend で「友だち1人」を立て、of mine で「その人は私と結びつく」と後ろから限定する。これが a friend of mine の組み立てです。
同時に、of を日本語の「の」一語に置き換えるだけでは見えない働きもあります。one of や piece of などの例文を手がかりに、二つの名詞句を結ぶ関係を考えていきましょう。
前置詞 of の意味|二つの名詞を関係づける
of は「〜の」と訳せることが多い前置詞です。ただし、日本語訳を覚えるだけでは、a cup of coffee、the roof of the house、a friend of mine が同じ of でつながる理由を説明できません。

of の後ろが前の名詞を位置づける
of の基本的な読み方は、「前の名詞が、後ろの名詞とどんな関係にあるか」を見ることです。
| 例 | 関係 | 意味 |
|---|---|---|
| a piece of cake | 部分と全体 | ケーキの一切れ |
| a cup of coffee | 容器・量と内容 | コーヒー1杯 |
| the roof of the house | 部分・所属 | その家の屋根 |
| the color of the sky | 属性と対象 | 空の色 |
| a friend of mine | 人との関係 | 私の友だちの1人 |
どの例にも同じ日本語を機械的に当てはめるのではなく、of の前にあるものを、後ろの名詞がどのように位置づけているかを考えます。
「全体から一部を取り出す」は便利だが万能ではない
a piece of cake や one of the students では、全体から一部を取り出すイメージがよく合います。

- one of my friends:私の友だちという集合の中の1人
- the top of the mountain:山という全体の頂上部分
- some of the water:その水のうちの一部
ただし、the idea of freedom や the city of Tokyo まで「全体から一部」と考えると無理が生じます。「二つの名詞を関係づける」が広い土台で、その中の一つが「部分と全体」です。
a friend of mine の意味と文法
a friend of mine は「私の友だちの1人」「私の友人の1人」という意味です。まず a friend で不特定の1人を示し、そのあと of mine で私との関係を加えます。

- a friend:友だち1人を導入する
- of:後ろの要素との関係を作る
- mine:「私の〜」という所有・関係を、後ろに名詞を置かずに表す
mine が文字どおり「私の友だち全員」という名詞を内蔵している、と考えなければならないわけではありません。ただ、意味をつかむうえでは「私と関係する友だちの範囲から1人」と捉えると分かりやすいでしょう。
mine は所有代名詞なので単独で使える
my と mine は日本語ではどちらも「私の」と訳せますが、置ける場所が違います。
| 語 | 働き | 例 |
|---|---|---|
| my | 後ろの名詞を限定する | my friend / my book |
| mine | 名詞なしで使う所有代名詞 | This book is mine. / a friend of mine |
of の目的語として単独で置くときは、my ではなく mine を使います。そのため a friend of my とは言いません。
a my friend と言えない理由|a と my が同じ位置を争う
a my friend が不自然なのは、単語を前に置きすぎて「頭でっかち」になるからではありません。a と my が、どちらも名詞句の入り口を決める 限定詞だからです。
英語では、a / an / the と my / your / his などの所有限定詞を、同じ名詞の前に原則として重ねません。
- a friend
- my friend
- × a my friend
- × the my friend
a を残したまま所有関係を加えるため後ろへ回す
「友だち1人」という a friend の形を保ち、さらに「私の友だち」と伝えたい。そのとき、所有関係を of mine として後ろへ置けます。
↓ a friend を保ち、所有関係を後ろへ
a friend of mine
この構造なら、a と my を同じ位置に重ねずに済みます。冠詞と限定詞の関係は、a と the の違いを考えるときにも重要です。
my friend と a friend of mine の違い
my friend と a friend of mine は、同じ人物を指すことができます。違いは、名詞句をどこから組み立てるかにあります。

| 表現 | 組み立て | 使い方の傾向 |
|---|---|---|
| my friend | my が friend を直接限定 | 私の友だちだと端的に示す |
| a friend of mine | a friend に of mine を後置 | 友だちの1人を話題へ導入する |
a friend of mine は「複数いるうちの1人」を感じさせやすい
I met a friend of mine yesterday. と言えば、私と友人関係にある人の1人に会った、という意味になります。a friend を先に立てるため、「ある友人が」と新しい人物を導入する流れに合います。
昨日、友だちの1人に会った。
ただし、my friend と常に大きな意味差があるわけではありません。文脈によってはどちらも自然な「私の友だち」です。a friend of mine を使えば必ず友だちが複数いると論理的に断定できる、というほど厳密な含意でもありません。
this friend of mine のようにも使える
of mine は a だけでなく、this、that、some などを伴う名詞にも続けられます。
- this friend of mine
- that old car of yours
- some ideas of hers
this friend of mine は、単なる my friend よりも「この友だちがね」と取り上げる感じを出すことがあります。状況によって親しみ、驚き、いら立ちなどの含みを帯びることもあります。
double possessive(二重所有格)は誤りではない
of と mine のような所有形が同じ名詞句に現れる構造は、double possessive または double genitive と呼ばれます。日本語では「二重所有格」「二重属格」などと訳されます。
名称に double と付いていても、同じ所有を無駄に二回述べた誤文ではありません。
- a friend が、取り上げる人物を導入する
- of mine が、その人物と私の関係を示す
二つの部分が別々の仕事をしているため、自然な英語として長く使われています。
a picture of John と a picture of John’s の違い
二重所有格の働きは picture の例でも見えます。
- a picture of John:John が写っている絵・写真
- a picture of John’s:John が持っている、またはJohnに属する絵・写真の1枚
of John では、John は写真の内容として読めます。of John’s と所有形を使うと、Johnとの所有・所属関係が前面に出ます。文脈によってはJohnが制作した作品などを指す可能性もあるため、最終的な意味は状況で判断します。
of の主な使い方
of を一つのイメージだけで無理に説明せず、よく現れる関係を知っておくと読みやすくなります。
部分・集合
- a slice of bread:パン一切れ
- one of us:私たちのうちの1人
- most of the students:その生徒たちの大部分
後ろに全体や集合を置き、前にその一部・数量を示します。
内容・量
- a cup of tea:紅茶1杯
- a bottle of water:水1本
- two kilos of rice:米2キロ
容器や単位の中身を of の後ろに置きます。
所属・部分・属性
- the door of the house:その家のドア
- the end of the movie:その映画の終わり
- the beauty of the landscape:その風景の美しさ
所有だけでなく、ある対象に属する部分や属性も表せます。前置詞の意味を日本語訳から離れて考える方法は、in・on・at のコアイメージにもつながります。
同格・内容の説明
- the city of Tokyo:東京という都市
- the idea of freedom:自由という考え
- the problem of unemployment:失業という問題
後ろの名詞が、前の名詞の具体的な内容を説明する使い方です。この用法は「全体から一部」という図だけでは説明できません。
まとめ|a friend of mine は a と mine が別の仕事をする
a friend of mine が自然なのは、a friend と of mine が異なる役割を担うからです。

- of は二つの名詞句の間に関係を作る
- a friend で友だち1人を導入する
- of mine でその人と私の関係を後ろから示す
- a と my は同じ限定詞の位置に入るため a my friend とは言えない
- double possessive は重複ミスではなく定着した構文
「of は『の』」「a friend of mine は決まり文句」と覚えるだけでは、形の理由が見えません。a friend を先に立て、所有関係を後ろへ回す構造だと分かれば、a colleague of hers や that car of yours も同じ原理で読めます。
前置詞 of のよくある質問
A. 多くの文脈で近い意味です。one of my friends は集合の中の1人をより明示的に数え、a friend of mine は友人1人を導入してから私との関係を加えます。
A. 所有関係を表すこの構文では、目的格 me ではなく所有代名詞 mine を使います。
A. 部分用法を理解するには有効ですが、内容・属性・同格などすべてには当てはまりません。広くは「前後の名詞を関係づける」と捉えるのが安全です。


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