この記事では、助動詞の can と may について扱います。
can と may はどちらも「○○して良い」という『許可』の用法を持っていますが、その2つに違いは存在するのでしょうか?
今回は、そんな can と may の違いに迫っていきたいと思います。
結論: can と may の違い
両者の違いを簡潔にまとめると、次のようになります。
結論としては上の通りなのですが、そもそもなぜ can の方が柔らかい表現で、may の方が堅い表現になるのでしょうか?
今回は、この理屈を〈権限の所在〉という観点から考えていきたいと思います。
〈権限の所在〉とは
相手に対して、「○○して良い」と『許可』を与える時、『権限』というものが発生します。
『権限』というのは、「○○する」という行為を許可する権利のようなものです。
そして、can と may ではその『権限』がどこにあるか、すなわち〈権限の所在〉が異なっています。
結論としては、
may による『許可』の〈権限〉は話し手にある
今の段階では少し難しく聞こえるかもしれませんが、実際に以下の例文を見てみると実感していただけるはずです。
can が表す『許可』の場合
次のような「男性と看護師の会話」を想定してみましょう。
病院の待合室にて…
Is smoking permitted here?
(ここでは喫煙は許されていますか?)
Sorry, Sir. You can smoke outside if you want.
(申し訳ございません。お望みなら外でお吸い下さい)
看護師の発言の中で、can が使用されているのがポイントです。
なぜ看護師は “You may smoke outside …” と言わず、”You can smoke outside…” と言ったのでしょうか?
それは、
⇩
話し手自身は関与せず、柔らかい表現になる
補足説明
この can のイメージを残したまま、may の『許可』を見てみましょう。
may が表す『許可』の場合
以下は、「息子と母親の会話」を想定しています。
ある平日にて…
Can I go out tonight?
(今日の夜 外出しても良い?)
You may not go out on a week-night.
(平日の夜の外出は許しません)
ここで重要なのは、母親の発言内で may が使用されている点です。
can ではなく may が用いられている理由は、
母親は保護者として、息子の「平日の夜に外出する」という行為に対する『許可』の〈権限〉を持っているのです。
これが、may による『許可』の〈権限〉は話し手にある、という意味です。
そして、話し手に〈権限〉があるということは、相手に対して直接的な影響を持つことを意味します。
したがって、may の方が堅い表現と見なされます。
⇩
話し手が関与して、堅く高圧的な響きをもつ
まとめ:can と may の『許可』の違い
⇩詳しく説明すると…
may による『許可』の〈権限〉は話し手にある
今回のポイントは、〈権限の所在〉という観点です。
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今回は、can と may の違いを扱いましたが、次のような疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか?
- will と be going to の違いは?
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また次の記事でお会いしましょう。
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