この記事では、助動詞の can と may について扱います。
can と may はどちらも「○○して良い」という『許可』の用法を持っていますが、その2つに違いは存在するのでしょうか?
今回は、そんな can と may の違いに迫っていきたいと思います。
結論: can と may の違い
両者の違いを簡潔にまとめると、次のようになります。
結論としては上の通りなのですが、そもそもなぜ can の方が柔らかい表現で、may の方が堅い表現になるのでしょうか?
今回は、この理屈を〈権限の所在〉という観点から考えていきたいと思います。
〈権限の所在〉とは
相手に対して、「○○して良い」と『許可』を与える時、『権限』というものが発生します。
『権限』というのは、「○○する」という行為を許可する権利のようなものです。
そして、can と may ではその『権限』がどこにあるか、すなわち〈権限の所在〉が異なっています。
結論としては、
may による『許可』の〈権限〉は話し手にある
今の段階では少し難しく聞こえるかもしれませんが、実際に以下の例文を見てみると実感していただけるはずです。
can が表す『許可』の場合
次のような「男性と看護師の会話」を想定してみましょう。
病院の待合室にて…
![](https://spice-of-englishgrammar.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/ojisan.png)
Is smoking permitted here?
(ここでは喫煙は許されていますか?)
![](https://spice-of-englishgrammar.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/doctress.png)
Sorry, Sir. You can smoke outside if you want.
(申し訳ございません。お望みなら外でお吸い下さい)
看護師の発言の中で、can が使用されているのがポイントです。
なぜ看護師は “You may smoke outside …” と言わず、”You can smoke outside…” と言ったのでしょうか?
それは、
⇩
話し手自身は関与せず、柔らかい表現になる
補足説明
この can のイメージを残したまま、may の『許可』を見てみましょう。
may が表す『許可』の場合
以下は、「息子と母親の会話」を想定しています。
ある平日にて…
![](https://spice-of-englishgrammar.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
Can I go out tonight?
(今日の夜 外出しても良い?)
![](https://spice-of-englishgrammar.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/doya-woman.png)
You may not go out on a week-night.
(平日の夜の外出は許しません)
ここで重要なのは、母親の発言内で may が使用されている点です。
can ではなく may が用いられている理由は、
母親は保護者として、息子の「平日の夜に外出する」という行為に対する『許可』の〈権限〉を持っているのです。
これが、may による『許可』の〈権限〉は話し手にある、という意味です。
そして、話し手に〈権限〉があるということは、相手に対して直接的な影響を持つことを意味します。
したがって、may の方が堅い表現と見なされます。
⇩
話し手が関与して、堅く高圧的な響きをもつ
まとめ:can と may の『許可』の違い
⇩詳しく説明すると…
may による『許可』の〈権限〉は話し手にある
今回のポイントは、〈権限の所在〉という観点です。
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今回は、can と may の違いを扱いましたが、次のような疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか?
- will と be going to の違いは?
- can と be able to の違いは?
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また次の記事でお会いしましょう。
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