英語の人称代名詞「you」は誰でも知っている英単語の一つです。そして単数でも複数でも同じyouが使われるとてもシンプルな単語です。
その特徴を踏まえると、youには複数形の意味はなく単数形の意味しかない、そもそも単数形と複数形という2つの形式はなく、ただ1つyouという形式が存在するのではないか?と考えることもできなくはないわけです。
はたしてその考えは本当に適切なのでしょうか?本記事では人称代名詞youを深堀りし、ちょっとした頭の体操をしてみようと思います。コラム的な扱いの記事としてお楽しみください。
youには複数形「あなたたち」の意味はないのか?
youには複数形がないのか?そう考えられる理由
そもそもどんな理屈で「youは単数の意味しかない」と言われるようになったのでしょうか?
そのような主張を唱える立場では、主に次のような理由をあげています。
- 単純にyouが単数と複数で同じ形だから
- 「あなたたち」と言う場合にはyouではなくyou allと言うことがあるから
要約すると、youという1つの形式しかないから複数の意味が本当にあるのか分からない、ということです。
主格 | 所有格 | 目的格 | 所有代名詞 | |
単数 | you | your | you | yours |
複数 | you | your | you | yours |
本当にそうなのでしょうか?
単数と複数のyouがそれぞれ存在する
アンサーとしては、youという形式には単数と複数それぞれが存在すると考える方が妥当です。
その根拠として「第5の存在」に注目しましょう。再帰代名詞です。
主格 | 所有格 | 目的格 | 所有代名詞 | 再帰代名詞 | |
単数 | you | your | you | yours | yourself |
複数 | you | your | you | yours | yourselves |
上のテーブルが示す通り、再帰代名詞は単数と複数で、yourself / yourselves とそれぞれ違う形式記号を持っています。これが、youには単数と複数の両方の形式が存在するという根拠です。
考えてみれば単純な話でしたが、横の思考(ラテラル・シンキング)として面白い話だと思ったので超簡単にですが記事を書いてみました。
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