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【文型】第4文型↔第3文型 意味の違い② -人間性の観点から-

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この記事では、〈文型〉(第4文型と第3文型)について扱います。

第4文型と第3文型と言えば、次のように『書き換えの関係』にあると言われています。

書き換え(a) Mary sent Tom a letter.
↑↓
(b) Mary sent a letter to Tom.

どちらも「メアリーはトムに手紙を送った」と訳される文章です。

しかしながら、言語学のある立場(認知言語学)では、この2つの文には『意味の違い』が存在すると考えられています。

今回は、そんな第4文型と第3文型の書き換えに生じる『意味の違い』について見ていきましょう。

第4文型と第3文型の書き換えに生じる『意味の違い』
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結論:第4文型と第3文型の意味の違い

早速ですが、まず結論をお伝えします。

書き換え(a) Mary sent Tom a letter.
↑↓
(b) Mary sent a letter to Tom.

この2つの例文の意味の差異は、

Toma letter を受け取ったかどうか

と言うことができます。

この結論を掘り下げて、以下で説明していきます。

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例文(a):第4文型の場合

第4文型(a) Mary sent Tom a letter.

この第4文型の場合は、

「Toma letter を確実に受け取った」

と解釈されます。

分かりやすく具体例で考えてみる

理解しやすいように次のような場面をイメージしてみましょう。

メアリーが遠方に住んでいるトムに1通の手紙を発送しました。
そしてその1週間後、トムはその手紙を受け取りました
そんな場面を描写するのが、(a) Mary sent Tom a letter.

手紙を「送る」‘sent’ という行為を受けた対象である ‘Tom’ は、それに対して「受け取る」という反応を出しました。

この「反応を出す」という少し変な表現が後々ポイントになってきます。

したがって、先ほどの結論通り、そのような場面を表現する際は、

第4文型(a) Mary sent Tom a letter.

という表現が当てはまります。

このイメージを頭に残したまま、例文(b)の第3文型も見てみましょう。

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例文(b):第3文型

次に見るのが例文(b)です。文型としては、SVO+to第3文型です。

第3文型(b) Mary sent a letter to Tom

この第3文型の場合は、

Toma letter を受け取ったかどうかは不明

と解釈されます。

【復習】先ほどの第4文型では、Toma letter を確実に受け取った」と解釈されます。

分かりやすく具体例で考えてみる

以下のような場面をイメージしてみてください。

メアリーが遠方に住んでいるトムに1通の手紙を発送しました。
しかしその手紙の住所が間違っていたらしく、
トムはその手紙を受け取ることはできませんでした
そんな場面を描写するのが、
(b) Mary sent a letter to Tom.
厳密には、受け取っている可能性も考えられます。ただ、ここで強調しておきたいのは、「第4文型の Mary sent Tom a letter. では、トムが手紙を受け取ったということが確実に含意されているのに対し、こちらの第3文型の Mary sent a letter to Tom. では必ずしも含意されていない」という点です。

手紙を「送る」‘sent’ という行為を受けた対象である ‘Tom’ は、それに対して「受け取る」 という反応を出しませんでした。

したがって、先ほどの結論通り、

第3文型(b) Mary sent a letter to Tom

この表現が適切とされています。

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第4文型と第3文型の意味の違いのまとめ

ここで今までのまとめをしておきます。

第4文型(a) Mary sent Tom a letter.
第3文型(b) Mary sent a letter to Tom

この2つの例文の違いをまとめると、以下のようになります。

メアリーの行為 それに対するトムの対応 文に含まれる意味
(a) 手紙を「送る」 その手紙を「受け取る」 「送る」「受け取る」
(b) 手紙を「送る」 その手紙を「受け取らない」 「送る」のみ

それでは、なぜこのような意味の違いが生じるのでしょうか?

ここからはその原因に迫っていきたいと思います。

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意味の違いが生じる原因

ここからは、第4文型と第3文型の意味の違いを〈人間性〉という観点から見ていきましょう。

例文(a):第4文型

第4文型(a) Mary sent Tom a letter.

この例文で注目すべきは、‘Tom’ という名詞です。

この例文では、‘Tom’〈間接目的語〉になっています。

間接目的語第4文型のSVO₁O₂で、O₁のことを〈間接目的語〉と呼ぶ

そして、その〈間接目的語〉のところには〈人間〉を表す名詞が置かれるのが一般的です。

したがって、‘Tom’ は〈人間性〉を持った名詞だと言えます。

‘Tom’ という名詞は人の名前だから〈人間性〉を持っているというのは至極当然ですが、次に見る第3文型では少し違います。

したがって、次のように推測できます。

〈人間性〉を持った相手に対して、「送る」という行為がなされた時、
それに対する〈人間〉らしい反応は、その物を「受け取る」ことである

このように考えてあげると、

第4文型(a) Mary sent Tom a letter.
上の例文において、「トムが手紙を受け取った」という状況が含意されていることが納得できるはずです。

例文(b):第3文型

次に SVO+to の第3文型 を見てみましょう。

第3文型(b) Mary sent a letter to Tom

この例文では、‘Tom’前置詞to  に後続しています(=前置詞toの目的語です)。

そして、本来〈前置詞〉は〈人間ではないもの〉、即ち〈無生物〉を対象にとる詞なのです。

前置詞が〈無生物〉をとる傾向が強い理由

〈前置詞〉の基本的な役割は、「場所」や「方向」を示すことです。その「場所」や「方向」は、動かないものと関連付けた方が便利なのは言うまでもありません。いちいち場所が変化する〈人間〉を〈前置詞〉の対象としてとるよりも、比較的その場所が動きにくい〈無生物〉を対象としてとった方が好都合だからです。したがって、〈前置詞〉の後ろには〈無生物〉が置かれ易くなるということです。

以上の〈前置詞〉の特性を踏まえると、‘Tom’ という言葉自体は人間を表す言葉ですが、’前置詞 to’ の後ろに置かれてしまったから〈人間性〉が弱くなり、〈無生物〉に近い存在になったと考えることが可能です。

そして以下のように言えます。

「送る」‘send’ という行為の対象が〈無生物〉なら、送ったものを「受け取る」という反応を期待することはできない

したがって、第3文型の(b) Mary sent a letter to Tom. には「トムが手紙を受け取った」というニュアンスは必ずしも含まれるわけではありません。

意味の差異が生じる理由のまとめ

以上の分析を表にまとめます。

Tomの文法的構造 Tomの性質 Tomの反応に対する期待
(a) 間接目的語 人間 「受け取る」という行為を期待できる
(b) 前置詞to の目的語 無生物 「受け取る」という行為を期待できない

‘Tom’ の〈人間性〉の度合いを考えることで、このような意味の差異を見出すことが可能です。

そして、〈人間性〉の度合いから次のような結論を出すことも可能です。

〈人間性〉の度合い  → Tomの役割
(a) 〈人間性〉強い → 手紙の〈受領者〉として機能
(b) 〈人間性〉弱い=〈無生物〉 → 手紙が送られる〈方向性〉として機能
(a) ‘Tom’ は〈人間性〉が強いので、「送る」という行為に対して〈人間〉としての機能、即ち手紙の〈受領者〉として機能しています。一方、(b)‘Tom’ は〈人間性〉が弱く、〈無生物〉に近い存在です。そのため、「送る」という行為に対して〈無生物〉として関与しています。〈無生物〉としての関与というのは、〈方向性〉として機能しているということです。
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第4文型と第3文型の意味の違いを一般化する

今まで見てきたように、第4文型と第3文型の間には意味の違いが存在します。

先ほどまでは、‘send’ という動詞を例にして考えてきましたが、動詞に関係なく次のように一般化することが可能です。

第4文型SVO₁O₂において、O₁O₂『所有する』状態が成立する
(O₁は「人」、O₂は「モノ」)
第3文型『所有』よりも『モノの移動』がメイン

この一般化した説明を、次の例文を通してイメージしやすくしていきましょう。

 

1. show を使った例文

最初に ‘show’ 「示す」という動詞を使った例文を紹介します。

第4文型(a) Mary showed Tom a picture.
第3文型(b) Mary showed a picture to Tom.

(a) Mary showed Tom a picture の場合

こちらは4文型であるため、先ほどの以下のコアが成立します。

第4文型SVO₁O₂において、O₁O₂『所有する』状態が成立する
(O₁は「人」、O₂は「モノ」)

したがってこの例文では、

メアリーがトムに写真を見せ、トムがその写真を見た
という意味が込められています。

この理由も先ほどの〈人間性〉というアイデアから説明可能です。

‘Tom は〈間接目的語〉になっていて、〈間接目的語〉のところには〈人間〉を表す名詞が置かれるので、
‘Tom’ は〈人間性〉を持った名詞だと言えます。

〈人間性〉を持った相手に対して、「示す」’show’という行為がなされた時、
それに対する〈人間〉らしい反応は、その物を「見る」ことである

ここでも、「写真を見た(認識した)」という点で、‘Tom’ は「写真を見せる」という行為の〈受領者〉であり、O₁O₂『所有する』状態が成立していることがわかります。

(b) Mary showed a picture to Tom の場合

次に、SVO+to の第3文型 の場合です。

第3文型であるため、先ほどの説明が成立します。

第3文型『所有』よりも『モノの移動』がメイン

つまりこの例文では、

メアリーがトムに写真を見せたが、トムはその写真を見たとは限らない

というニュアンスが含まれています。

その理由としては以下の通りです。

(b)では、‘Tom’ は前置詞toに後続していて、〈前置詞〉の後ろに置かれた言葉は、〈無生物〉に近い存在になるというお話をしました。

そして以下のように言えます。

「示す」’show’ という行為の対象が〈無生物〉なら、示したものを「見る」という反応を期待することはできない

この例文における ‘Tom’ は、「手紙を送る」という行為がなされる〈方向性〉として機能しており、『所有』よりも『モノの移動』がメインであることがわかります。

2. teach を使った構文

次に、teach という動詞を使った例文をご紹介します。

先ほどまでの例文では、‘send’「送る」や ‘show’「見せる」を例にして、目に見える物理的な〈所有〉や〈移動〉を考えていましたが、目に見えない精神レベルでも同じ原理が通用するのです。

第4文型(a) Mary taught Tom English
第3文型(b) Mary taught English to Tom

先ほどまでとは違い、今回は English という目に見えないモノが登場しています。

 

目に見えない精神的な〈所有〉・〈移動〉について考えてみましょう。

(a) Mary taught Tom English の場合

この例文は、SVO₁O₂の第4文型をとっているので、

第4文型SVO₁O₂において、O₁O₂『所有する』状態が成立する
(O₁は「人」、O₂は「モノ」)

と考えることが可能です。

ここで言う『Englishを所有する』とは、「理解する」ということです。

つまり(a)の例文では以下のような場面を描写します。

メアリーがトムに英語を教えて、トムはそれを理解した
「英語を理解すること」が精神的な〈所有〉と呼べるということです。

(b) Mary taught English to Tom の場合

SVO+to の第3文型 であるため、先ほどの説明が成立します。

第3文型『所有』よりも『モノの移動』がメイン

つまり、

メアリーが英語を教えた相手はトムである

という『モノの移動』がメインであることが分かります。

このように、目に見えない抽象的なモノであっても〈所有〉と〈移動〉の説明を適用することが可能です。

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閑話休題:文型と動詞の関係性

今まで ‘send’ ‘show’ ‘teach’ という3つの動詞を取り上げて、第4文型第3文型 における意味の違いを見てきましたが、全ての動詞が第4文型では、〈所有〉の意味を示していることが分かりました。

つまり、次のように言えるのではないでしょうか?

動詞が独立して意味を示すのではなく、文型がその動詞の持っている意味を限定づけている。つまり、意味は動詞ではなく、文型に依存している。

軽く意味不明なことを言っていますが、‘make’ という動詞を考えてみましょう。

makeの意味は?」と聞かれた時に、次のような回答が出てくるでしょう。

①~を作る
②〈人〉に~を料理する
③〈人〉に~させる (使役)

しかし、本来は「分からない」という回答が正解なのです。

先ほどの回答は、「makeがもつ意味を何個かあげて」という質問に対してならば、ある程度の適切さを持っていますが、makeの意味は?」と聞かれた時は、答えようがないのです。

というのも、make という動詞は、ご存知の通り意味が複数あります。そしてその意味は、文型が定まるまで、定まりようがないからです。

つまり、先ほどの返答に少し手を加えて正解に近い回答にするならば、

①SVOの第3文型の時、~を作る
②SVOOの第4文型の時、②〈人〉に~を料理する
③SVOCの第5文型の時、③〈人〉に~させる (使役)

となるでしょう(しかしこれでも完璧な回答ではありません)

一般に「その動詞の意味が文型を指定する(意味によって使える文型が決まっている)」と言われることが多いですが、今回見てきた考え方では「文型がその動詞の意味を指定する」と言った方が、文型の理解が深まるのではないかと思います。

文型を学習する時、「SVOは第3文型で、SVOOは第4文型で…」などのように文型の数字を一生懸命暗記しようとしてしまいがちです。しかしながら、本来重要なのは、第4文型が〈所有〉を表すというのを知るように、数字などではなく、その文型が持っているコアなのではないでしょうか。

正直、SVOのことを第3文型と呼ぼうと第4文型と呼ぼうと、そこには大差はありません。その文型のコアや、そこに込められているイメージや手触りというものを理解した方が遥かに有益であり、そして英語、言語の豊かさや奥深さに気付くことができるはずなのです。

冗長な個人的な意見になってしまいましたが、文型に対する認識や捉え方が変わり、文型の意義や奥深さに気付いて頂けたら幸いです。
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【日英比較】日本語における〈人間性〉の影響

ここからは日本語を少し考えていきたいと思います。

最初の例文を思い出してください。

例文(a) Mary sent Tom a letter.
↑↓
(b) Mary sent a letter to Tom.

この例文において以下の分析をしたのを覚えているでしょうか?

Tomの文法的構造 → 人間性の度合い  → Tomの役割
(a) 間接目的語 → 〈人間性〉強い → 手紙の〈受領者〉
(b) 前置詞toの対象 → 〈人間性〉弱い=〈無生物〉→ 手紙が送られる〈方向性〉

この役割の違いは、〈人間性〉の度合いから生じていることも説明しました。

そして、興味深いことに、この〈人間〉としての〈受領者〉なのか、〈無生物〉としての〈方向性〉なのかの区別の概念が日本語にも存在します。

それが〈助詞〉の使い方です。

次の例文をご覧ください。

例文(a)トム本をおくる
例文(b)トム本をおくる
「に」「へ」の違いだけですが、何か意味の違いに気づかないでしょうか?

「トムに本をおくる」の場合

例文(a)トム本をおくる

この例文を見た時に、「トムに本をプレゼントする」というイメージを思い浮かべたのではないでしょうか?

そのイメージで正解です。

ある名詞に助詞「に」がつくと、その名詞は贈与行為を受ける〈受領者〉として機能することがあります。

したがって、例文(a)の「トム」は「本を受け取る」という〈人間〉らしい反応を期待されているのです。

更に興味深いことに、漢字も対応しているのです。(1)のある個所を漢字表記にしてみましょう。

例文(a)トム本を贈る
〈受領〉を目的とした物事の移動は、贈るという漢字が用いられます。

「トムへ本をおくる」の場合

例文(b)トム本をおくる

この例文からは、「トムへ本を(宅急便などで)配送する」というイメージが伝わってくると思います。

ある名詞に助詞がつくと、その名詞は行為がなされる〈方向性〉として機能します。

つまり、例文(b)における「トム」は、〈人間〉としての「受け取る」という反応を期待されていない〈無生物〉だということが言えます。

そして、やはりこちらもある箇所を漢字表記にすると面白いことが起こります。

例文(b)トム本を送る

先ほどの〈受領〉を目的とした物事の移動は、「贈る」という漢字が使われましたが、物事の単純で物理的な移動は、送るという漢字が用いられます。

漢字って奥が深いですね。

日本語のまとめ

【日英比較】の内容をまとめると次のようになります。

例文(a)トム本を送る
例文(b)トム本を送る
トムの〈人間性〉の度合い トムの役割 漢字表記
(a) 助詞 〈人間性〉強い 本を受け取る〈受領者〉 贈る
(b) 助詞 〈人間性〉弱い=無生物 本がおくられる〈方向性〉 送る

英語と日本語を関連付けると…

そして英語との関連性を示すなら、

助詞〈間接目的語〉に相当し、助詞〈前置詞 toに相当する
と言うことが可能です。

助詞「に」と「へ」にはこんな違いがあるのですが、普段の生活ではその使い分けは無意識にされています。

こうして英語という比較対象ができると、無意識の対象に光が当たり、母語について新たな発見に出会えます。

これも英文法の魅力の1つです。

英語と比較することで、母語の日本語について新たな発見を与えてくれる

✔関連記事

今回の記事で、日本語では〈助詞〉が強い影響力を持っていることが分かって頂けたと思います。

日本語の〈助詞〉における分析は以下の記事でも扱っています↓

ぜひご覧ください。

【日英比較】はこれにて終了です。

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全体のまとめ

今回の記事では、第4文型から第3文型への書き換えに隠れた意味の違いを〈人間性〉の観点から考えてきました。

その〈人間性〉の強弱は、文法構造によって決定します。

〈間接目的語〉に置かれた名詞は〈人間性〉が強くなり〈前置詞 to〉の後に置かれた名詞は、〈人間性〉が弱くなり、〈無生物〉の性質を帯びます

そして、〈人間〉としての〈受領者〉なのか、〈無生物〉としての〈方向性〉なのかの区別はが日本語でも存在することを確認しました。

以下がポイントです。

  • 〈間接目的語〉に置かれた名詞は、〈人間性〉が強くなる
  • 〈前置詞 to〉の後に置かれた名詞は、〈人間性〉が弱くなる=〈無生物〉
  • 第4文型では、人間とモノの〈所有〉に関心がある
  • 第3文型では、モノの〈移動〉に関心がある
  • 日本語でも、〈受領〉と〈移動〉の概念の区別が存在する

〔参考文献〕

  • 池上嘉彦 (1995)『〈英文法〉を考える』筑摩書房
  • 三原健一 (2008)『構造から見る日本語文法』 開拓社

関連記事の紹介

今回は、第4文型と第3文型の意味の違いを〈人間性〉という観点から分析しました、他の異なるアプローチで分析することも可能です。

そのアプローチとは、〈文末焦点の原理〉というものです。

➤➤〈文末焦点の原理〉から第4文型と第3文型の意味の違いを探る

 

今回もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。

コメント

  1. 匿名 より:

    SVO1O2とSVO2 to/for O1の違いを文末焦点の観点で考えていました。SVO1O2とSVO2 to/for O1に物が渡っていることが確定しているか/確定していないか、という違いがある以上は、文末焦点で違いを説明することは無意味である、と理解するのがよいでしょうか。

    • 英文法のスパイス より:

      いろんな視点の考え方があって、それぞれに得意不得意がある、という向き合い方でご自身のアイデア棚に保存しておくのが良いと思います。
      文末焦点の原理は、SVO1O2とSVO2 to/for O1以外のほかの文法事項(受動態など)にも通じる「便利アイデア」、一方で所有の概念は、より言語学っぽい理論につながる「それっぽいアイデア」だったりします。