生成文法のXバー理論とは?なぜNP・VP・PPを同じ骨組みで表せるのか

NP・VP・PPが同じ枝分かれ構造を共有することを示すXバー理論のサムネイル

樹形図で X、X′、XP を見ても、「バーが一本増えると何が変わるのか」と戸惑うかもしれません。名詞句ではN、動詞句ではV、前置詞句ではPと記号も変わります。

Xバー理論の狙いは、記号を増やすことではありません。NP、VP、PPの個別規則を並べず、どの句も主要部を中心に似た骨組みを作ると捉えます。

この記事では、Xバー理論の基本形、日英の語順、補部と付加部の見分け方をつなげます。各段階では「後の理論ではどうなった?」も挟み、後継理論での扱いを先回りして示します。

先に結論
Xバー理論は、Xという主要部がX′を経てXPへ投射する共通形式によって、NP・VP・PPなどの内部構造を統一しました。指定部・補部・付加部は「主語」「目的語」の別名ではなく、樹形図上の位置です。

例文と樹形図を通して、この共通骨格を見ていきましょう。手がかりは the book about syntax on the tableread the book in the library です。

なぜNP・VP・PPを、同じX′とXPの骨組みで表せるのか?
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生成文法とはなにか?

まずは、Xバー理論が属する生成文法の位置づけから押さえておきます。

生成文法generative grammar言語学の研究プログラム人が限られた語彙と仕組みから無数の文を作り、初めて聞く文にも構造と意味を与えられる言語知識を、明示的な理論として記述・説明しようとする研究の枠組み。

生成文法でいう「生成」は、単語を発話順に思いつくことではありません。表現の階層構造を有限の仕組みで明示することです。

Xバー理論は、そのうち句の内部をどう組み立てるかという問いに答えました。生成文法の基本理念や言語能力との関係は、生成文法とは何かを基礎から解説した記事で詳しく扱っています。

Xバー理論はどの時代に主流の句構造モデルだったのか

Xバー理論は、1950年代の初期生成文法に最初から完成形で備わっていたわけではありません。1970年前後に現れた一般化が1970年代に発展し、1980年代から1990年代前半のGB理論で、句構造を支える中心的な理論になりました。

時期・枠組み Xバー理論の位置づけ 句構造を作る考え方
標準理論
1960年代を中心に
完成したXバー理論はまだない NP、VPなどに個別の句構造規則を書く
拡大標準理論
1960年代後半〜1970年代
主要部と投射を一般化する考えが発展 範疇をまたぐ共通形式を探る
GB理論
1981〜1995年ごろ
句構造の中心理論として定着 X、X′、XPと指定部・補部・付加部で構造を制約する
ミニマリスト・プログラム
1995年以降
固定スキーマを原始的な装置とはしない MergeとBare Phrase Structureから構造を導く

年代は目安です。

個別の句構造規則、Xバー理論の共通スキーマ、無ラベル集合を作るMergeと別途問われるLabelingを比べた理論再編図
三つの時代で、一般化の単位が変わります。

萌芽はChomsky(1970)、一般化はJackendoff(1977)

Chomskyの「Remarks on Nominalization」(1970)は、名詞と動詞の構造にまたがる共通性を捉える方向を打ち出しました。JackendoffのX̅ Syntax(1977)は、範疇横断的な句構造の仕組みをさらに展開します。

提案ごとにバーの数、付加部の位置、機能範疇の扱いには違いがあります。本記事では、GB期の入門で広く用いられる二分枝の基本形を中心にします。

GB理論では語彙範疇から機能範疇へ広がった

初期はN・V・A・Pという語彙範疇の共通性が中心でした。GB期にはI(INFL)やCも句を投射し、文全体をIPやCPの階層として表します。

後の理論ではどうなった?|Xバーの型からMergeによる派生へ

ミニマリスト・プログラムは、X′やXPを並べた型を独立部門として置かず、二つの統語対象を結ぶMergeから階層を作ります。主要部と補部の局所的な関係は残ります。

句構造規則からXバー理論、さらにBare Phrase Structureへ進む全体像は、生成文法がどう変遷し、何を目指したのかをまとめた記事でたどれます。

Xバー理論はなぜ必要だったのか

Xバー理論が解こうとしたのは、樹形図をきれいに描く問題ではありません。句ごとに規則を列挙するだけでは、範疇を超えて繰り返される一般性が文法の外へ残るという問題でした。

個別の句構造規則では、同じ関係を何度も書く

初期の句構造規則では、次のように範疇ごとの展開を記述できます。

NP → Det N PP
VP → V NP PP
PP → P NP

これで個々の構造は表せます。しかし、NPの中心はN、VPの中心はV、PPの中心はPであり、どれも中心となる主要部が、自分と同じ種類の句を作るという点では共通しています。この共通点を規則ごとに書き直すのは冗長です。

詳しい句構造規則の働きは、句構造規則・語彙挿入・変形の分業を解説した記事で扱っています。

Xを変数にすると、共通部分だけを取り出せる

XはN、V、A、Pなどの代わりに入る変数です。X=NならNP、X=VならVP、X=PならPPになります。そこで、範疇名を一つずつ書く代わりに、次の共通形を置けます。

XP → (Specifier) X′
X′ → X (Complement)
X′ → X′ (Adjunct)

これは英語の語順に寄せた一例です。重要なのは左右ではなく、Xが補部とX′を作り、X′が指定部とXPを作る階層です。付加部はX′へ加わり、X′を反復させます。

後の理論ではどうなった?|「規則を減らす」課題は残った

Bare Phrase StructureはXバーの三段階を必須テンプレートから外しました。それでも、範疇別の規則を無制限に増やさず、より少ない構造構築操作から共通性を導く方針は続いています。Xバー理論は、後のMergeへ向かう一般化の重要な一段階だったわけです。

X・X′・XPは、主要部から句が広がる三つの段階

Xバー理論の樹形図は、下からX、X′、XPという三段階で読みます。下の図では、単語に近い主要部から、句全体まで投射が広がります。

主要部Xと補部がXダッシュを作り、付加部がXダッシュに反復付加し、指定部がXPの外縁に置かれるXバー構造図
補部は主要部の最も近く、付加部はX′を繰り返し拡張し、指定部は最大投射XPの外縁に置かれます。

Xは句の性質を決める主要部

Xは、句の中心となる主要部(Head)です。pictureが主要部なら全体は名詞句、readなら動詞句、inなら前置詞句になります。主要部の範疇が、その上の投射へ受け継がれるからです。

表記の読み方|XとX⁰は同じ段階を指す

主要部を X⁰ と書く文献もあります。これはバーの付かない主要部、つまりゼロ・バー水準を示します。本記事では読みやすさを優先し、主にXと表します。

X′は主要部と句全体の間にある中間投射

X′(X-bar、エックスバー)は、主要部Xと最大投射XPの間にある中間投射です。主要部が補部と結びつくと、まずX′ができます。

この中間段階によって、主要部に最も近い補部と、外側から加わる付加部を別の位置に置けます。付加部ごとにX′を反復する分析もあります。

XPはXの最大投射

XPはXの最大投射(maximal projection)です。NならNP、VならVP、PならPPとなり、さらに大きな構造へ組み込めます。

注意点|三つの段階に、必ず三つの語が出るわけではない

X、X′、XPは投射の段階であり、各段階に発音される語が要るわけではありません。Dogs bark. のbarkのように、補部のない主要部もVPをなせます。

樹形図の親子関係、姉妹関係、構成素の読み方に不安がある場合は、句構造・構成素・樹形図を基礎から解説した記事を先に読むと枝の違いが追いやすくなります。

主要部・補部・指定部・付加部は構造上の位置

四つの用語は、単語の種類ではなく樹形図の中で何と姉妹になり、どの節点に含まれるかを表します。主要部以外は、NP・PP・CPなどさまざまな句が入れる位置です。

位置 構造上の関係 基本的な役割 単純化できない点
主要部
Head
X 句の範疇と選択特性の中心 「大事な意味の語」とは限らない
補部
Complement
Xの姉妹 主要部が選択する項を局所的に実現 目的語だけでなくPPやCPにもなりうる
指定部
Specifier
X′の姉妹、XPの娘 最大投射の縁にある構造位置 主語専用でも限定詞専用でもない
付加部
Adjunct
X′の姉妹としてX′を反復する形など 時・場所・様態などを修飾 単に「省略できる語」とは限らない
主要部Xと補部がXダッシュを作り、付加部がXダッシュに反復付加し、指定部がXPの外縁に置かれるXバー構造図
四つの位置を、姉妹関係から見直します。

主要部と補部は、最も近い姉妹関係を作る

read the book では、VのreadがNPのthe bookを補部として取ります。in the room では、PのinがNPのthe roomを補部として取ります。補部の範疇は同じとは限りませんが、どちらも主要部Xと直接姉妹になる点が共通します。

注意点|補部は「目的語」の別名ではない

目的語NPは代表例ですが、depend on syntax のon syntaxはPP、think that syntax matters のthat節はCPの補部です。補部は文法機能ではなく構造関係です。

指定部は、XPの縁にある一段高い位置

指定部は、X′と姉妹になり、XPの直下に置かれる位置です。古典的なNP分析では the picture のtheを指定部に置き、GB期のIP分析では主語をSpec-IPに置きました。

注意点|指定部イコール主語ではない

「指定部=主語」と覚えると、NPの限定詞やCPのwh句を扱えません。指定部は属するXPによって中身が変わる位置で、主語が複数の指定部位置を経る分析もあります。

付加部は、完成したまとまりへ情報を足す

read the book in the library after lunch では、in the libraryとafter lunchが場所と時を加えます。どちらもreadが「読む」という語彙項目であるために必ず要求する要素ではなく、複数重ねられます。

付加部をX′へ結び、もう一つX′を作れば修飾を重ねられます。XPへの付加とする版もあるため、補部より外側にある修飾関係を押さえましょう。

構造関係を一歩進める|c-commandへ

「Xの姉妹」「X′の姉妹」という定義が重要なのは、統語関係が左右の近さではなく階層で決まるからです。この考えを代名詞・再帰代名詞・移動の制約へ広げると、c-commandという構造関係につながります。

NP・VP・PPを同じ骨組みで比べる

XにN、V、Pを代入すると、見た目の違う三つの句を同じ目で読めます。下の図では、主要部と補部の姉妹関係をそろえ、指定部や付加部が必要な句だけ外側へ置いています。

NP・VP・PPがそれぞれ主要部N・V・Pと補部からなる共通のXバー構造を持つことを示す比較図
句の種類が変わっても、主要部と補部が中間投射を作るという構造上の関係は共通します。

NP|pictureを中心に名詞句が広がる

the book about syntax on the table を古典的なNP分析で読むと、Nのbookが主要部、about syntaxが補部、on the tableが付加部、theが指定部です。

低いN′はbookとabout syntaxから成り、その外側にon the tableが加わります。最後にtheと結びついてNPになります。同じPPでも構造位置は違います。

後の理論ではどうなった?|NPの外側にDPやKPを置く分析へ

1980年代後半以降、theのような限定詞Dを主要部とし、NPを補部に取るDP分析が広く用いられるようになりました。日本語の格助詞まで独立した主要部として捉える場合は、DPやNPの外側にKPを置きます。

変わったのは、どの要素を主要部とし、どこまでを一つの投射にするかです。格助詞を主要部とする議論は、KPと格句の解説記事で扱います。

VP|readを中心に目的語と修飾語を分ける

read the book in the library では、Vのreadが主要部、NPのthe bookが補部、PPのin the libraryが付加部です。

ここではVPの指定部を空けています。

後の理論ではどうなった?|主語の導入位置をvPへ分ける

GB期後半は主語をVP内に置き、ミニマリストでは外項を導入するvPへ分けます。指定部の役割は固定されません。

PP|inを中心に場所の名詞句を取る

in the room では、前置詞inが主要部P、the roomが補部NPです。英語では主要部Pが補部より前にあるため、P―NPの順になります。

三つの句に共通する問いは、機能範疇へも広がった

主要部から句を組み立てる問いは、N・V・Pの比較だけにとどまりません。

後の理論ではどうなった?|機能範疇にも同じ問いを広げる

GB期にはIとC、のちにはT、v、Dなども主要部としてIP・CP・TP・vP・DPを作ると分析されました。Xバー理論が語彙範疇の統一にとどまらず、節全体の精密な構造へ広がった部分です。

英語と日本語は、主要部と補部の順番が違う

Xバー理論が共通にするのは階層の骨組みであり、すべての言語を英語と同じ左から右の順に並べることではありません。古典的な原理とパラメータの考え方では、主要部と補部の順をパラメータとして捉えました。

英語は主要部先行、日本語は主要部後続になりやすい

代表的な組み合わせを比べると、向きの違いが見えます。

範疇 英語 日本語 主要部の位置
VP read the book 本を 読む 英語はVが前、日本語はVが後
PP/後置詞句 in the room 部屋 に 英語はPが前、日本語は対応する要素が後
CP that she came 彼女が来た と 英語はCが前、日本語はCが後

日本語を主要部後置型、英語を主要部先行型と呼ぶのは広い一般化です。実際の語順には移動、情報構造、範疇ごとの差も関わります。

左右が逆でも、補部は主要部の姉妹になれる

英語の read [the book] と日本語の [本を] 読む は、線形順序が逆です。それでも、目的語にあたる句がVと最も近い位置でまとまりV′を作るという階層関係は共通に表せます。

後の理論ではどうなった?|語順パラメータをより細かく導く

ミニマリスト系や反対称性の研究では、「主要部が前か後か」という一枚のスイッチだけで語順を与えず、Mergeで作る階層、素性、移動、線形化の原理から表面順を導こうとします。古典的なHead Parameterは見通しのよい入口ですが、現在の統語論全体で唯一の分析ではありません。

日本語の語順が比較的自由に見えても階層制約を受ける理由は、日本語の語順と階層構造を解説した記事でも詳しく説明しています。

補部と付加部は、複数の診断を重ねて見分ける

同じ句の中で、補部と付加部がどちらもPPとして現れることがあります。表面上の品詞や位置、「省略できるか」という一問だけでは分けられません。

診断1|主要部に選ばれているか

補部は、主要部の語彙的な要求を満たす項です。

  • depend on syntax:dependは何に依存するかを表すon句を選ぶ
  • put the book on the table:putは物だけでなく、置き場所を表す句も要求する
  • sleep on the sofa:sleepは場所がなくても成立し、on the sofaは場所を付け足す

putのon the tableはPPでも補部、sleepのon the sofaはPPでも付加部という分析になります。品詞だけでは決まりません。

診断2|繰り返しと語順の自由度を見る

付加部は in the library after lunch with a friend のように複数重ねやすく、順序にもある程度の幅があります。補部は主要部ごとに数と種類が制限され、一般に主要部の近くへ置かれます。

ただし、複数の補部を取る動詞もあり、付加部の順序にも意味上の制約があります。

診断3|oneやdo soが置き換える範囲を見る

名詞句ではone、動詞句ではdo soによる代用が、中間投射のまとまりを探る手がかりになります。

  • the picture of Mary on the wall and the one on the desk
  • John read the book in the library, and Mary did so at home.

oneはpicture of Maryに相当するN′を置き換え、on the deskを外側に残せます。do soはread the bookを受け、場所の付加部だけを変えます。代用範囲は中間投射を探る証拠です。

注意点|一つの診断だけで結論を出さない

補部でも省かれ、付加部でも意味上必要に感じられることがあります。選択、反復、順序、代用、意味役割を重ねて判断します。

補部の数や種類が主要部の意味役割とどう結びつくかは、θ理論の課題でもあります。Xバー理論だけで、ある位置に何が入れるかまで全部決めるわけではありません。

Xバー理論の樹形図を練習問題で読んでみよう

最後に、記号ではなく関係を言葉にできるか試してみましょう。正解の枝を暗記するより、主要部から順に問うのが近道です。

問題|主要部、補部、指定部、付加部を答える

  1. 古典的なNP分析で the picture of Mary on the wall のN、補部、指定部、付加部を答えてください。
  2. read the book in the library のV、補部、付加部を答えてください。
  3. put the book on the table のon the tableは、補部と付加部のどちらでしょうか。
  4. 本を読む では、主要部Vと補部NPのどちらが先に発音されるでしょうか。
  5. X′とXPの違いを、「中間投射」「最大投射」という語を使って説明してください。

解答|位置と選択関係から確かめる

  1. Nはpicture、補部はof Mary、指定部はthe、付加部はon the wallです。ただし後のDP分析ではtheをDという主要部にします。
  2. Vはread、補部はthe book、付加部はin the libraryです。
  3. 補部です。putは「何を」「どこへ置くか」を要求するため、場所句も選択されます。
  4. 補部NPの本をが先、主要部Vの読むが後です。日本語の主要部後続型を示す代表例です。
  5. X′は主要部Xと句全体の間にある中間投射、XPはXの性質を受け継いだ最大投射です。

間違えた場合は、語順から当てず、句の範疇を決める語は何か→その語が選ぶ要素は何か→外から加わる修飾語は何かの順に戻ると枝を立て直せます。

ミニマリストではXバー理論の何が残ったのか

ミニマリスト・プログラムでは、X、X′、XPを先に用意した固定スキーマを、文法の独立した原始概念としては置きません。だからといって、Xバー理論が発見した一般性をすべて捨てたわけでもありません。

個別の句構造規則、Xバー理論の共通スキーマ、無ラベル集合を作るMergeと別途問われるLabelingを比べた理論再編図
句構造規則、Xバー理論、Mergeは単純な改名ではなく、句構造をどの単位で一般化するかが異なります。

Bare Phrase Structureはバー段階を派生的に捉える

Mergeは二つの統語対象を結び、一つの新しい統語対象を作ります。主要部readとNP the bookをMergeすれば、readの性質を持つまとまりができます。そこへ別の要素をMergeすれば、さらに大きな構造になります。

この考えでは、X′を最初から挿入する必要がありません。最小・最大・中間投射の区別は、同じ要素がさらに投射するかという構造から派生します。

残った問いは、主要部・局所関係・ラベル

Xバー理論から残る見通しは少なくありません。

  • 構造は語の横並びではなく、局所的な二分枝を重ねてできる
  • 主要部と補部の関係は、付加部より局所的である
  • 句の性質がどの要素から来るかを決める必要がある
  • 移動先や解釈は、階層上の位置に制約される

後の理論ではどうなった?|投射からLabelingの問題へ

Bare Phrase Structureでは、Mergeでできた集合を何の句として解釈するかがLabelingの問題になります。ラベルをあらかじめ書くのか、構造と素性から決めるのかが変わりました。

MergeとExternal Merge・Internal Mergeの違いはMergeの仕組みを解説した記事、Bare Phrase StructureやLabelingを含む全体像はミニマリスト・プログラムの解説記事で詳しく扱っています。

まとめ:Xバー理論は句ごとの違いから共通の骨組みを取り出した

Xバー理論の中心は、主要部の性質が中間投射を経て最大投射へ広がるという見方です。

  • Xは主要部、X′は中間投射、XPは最大投射を表す
  • 補部はXの姉妹、指定部はX′の姉妹、付加部はX′の外側に重なる修飾位置として表せる
  • 指定部は主語の別名ではなく、補部も目的語の別名ではない
  • NP・VP・PPは主要部の範疇こそ違うが、同じ階層関係で比較できる
  • 英語と日本語は主要部の向きが違っても、主要部と補部の局所関係を共有できる
  • ミニマリストでは固定スキーマをBare Phrase StructureとMergeへ再編し、Labelingを派生上の問いとして扱う
NP・VP・PPがそれぞれ主要部N・V・Pと補部からなる共通のXバー構造を持つことを示す比較図
N・V・Pでも、共通骨格は変わりません。

樹形図は、主要部はどれか、何を選択するか、何が外から修飾するかの順に考えると読みやすくなります。

参考資料

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IやCのような機能主要部も句を投射するという発想は、機能範疇のAUX・INFL・T・C・vの解説で、理論史と役割の両方からたどれます。

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